おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『えどさがし』 畠中恵 しゃばけ外伝

      2016/01/28

最近読んだ本017

『えどさがし』(文庫) おすすめ度☆☆☆

畠中恵(作者別索引) 新潮文庫 2014年12月

 

 

おすすめポイントを百文字で

『しゃばけ』らしい妖怪がキーになっている謎解きは、意外性があります。また、もつれた糸を一気にほぐすような、すっきりできる謎解きもあります。本編はちと飽きたって人も目先が変わって楽しめると思います。

 

あらすじ

時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!?手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声!事件に巻き込まれた仁吉の運命は――表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝、文庫オリジナルで登場。(作品紹介より)

 

 

太郎君、東へ

以前紹介した『しゃばけ』シリーズの外伝です。本編で脇を固めているキャラクターを主人公にした短編が五編書かれています。それぞれテイストが違っていて楽しめるのですが、私が気に入ったの話を二編ほど紹介します。

 

一つ目は「太郎君、東へ」。この話の主人公は禰々子という利根川に住む河童の親分。親分といっても女性ですが。そして、タイトルの太郎とは関東平野の大河、利根川の化身である坂東太郎のこと。禰々子は坂東太郎にある頼まれごとをします。同時にとある人間から正反対の頼まれごともされてしまいます。

 

禰々子は河童の親分だけあって、曲がったころが嫌いなさっぱりした性格。頼りにされると何とかしてあげたくなるのですが、正反対の頼みごとにどうするべきか悩みます。

 

この話のラストがある意味『しゃばけ』的かなって思います。推理というか予想が一切意味を成さないような、無茶な結末が気に入ってます。

 

 

たちまちづき

江戸時代の人材派遣業「口入屋」。その口入屋にトラブルが発生します。ある大名家に派遣した人間同士がケンカをし、その大名家の大切な花入れを壊してしまいます。

 

解決方法が鮮やかなのがいい感じです。それまで話の中に出てきたパーツ(登場人物や出来事)を意外な形で組み合わせて問題を解決する手法が、やっぱり「しゃばけ」的かなっておもいました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ 

この話は本編にちと飽きてきた人たちにおすすめです。(もちろん飽きてない人や『しゃばけ』シリーズを読んだことがない人にもおすすめですが。)本編もいろいろ工夫はありますが、主人公は若旦那で兄や達が活躍するっていう型は変わらないので、正直私は飽きていました。

この話は『しゃばけ』シリーズのいい意味でのテイストは保ちつつ、主人公が変わって新鮮に読めました、ってことで星三つです。

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