おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『バーにかかってきた電話』 東直己 札幌らしさって何?

      2016/01/25

最近読んだ本013

『バーにかかってきた電話』(文庫) おすすめ度☆☆☆☆

東直己(作者別索引) ハヤカワ文庫 1996年1月    

おすすめポイントを百文字で

お調子者で、頭脳明晰でもないが変にお人よしな探偵の「俺」がいい味出してます。結構複雑で重厚なハードボイルドものですが、主人公の性格の軽さのおかげでいい意味で物語が重くなりすぎてないのがいい感じです。

 

 

あらすじ

いつものバーでいつものように酒を呑んでいた〈俺〉は、コンドウキョウコと名乗る女から電話で奇妙な依頼を受けた。ある場所に伝言を届け、相手の反応を観察して欲しいらしい。一抹の不安を感じながらも任務を果たした帰り道、危うく殺されそうになった〈俺〉は、依頼人と同姓同名の女性が、地上げにまつわる放火事件で殺されていたことを知る――ススキノの街を酔いどれ探偵が全力疾走する新感覚ハードボイルド第2弾!(作品紹介より)

 

 

街ハードボイルド

以前に紹介した『池袋ウエストゲートパーク』や『新宿鮫』と同じくひとつの街を舞台にしたハードボイルド探偵物です。この物語の街は北海道のススキノです。

 

私は神奈川県在住でなので池袋や新宿に関しては、作中の建物や道なんかもなんとなくわかりますし、なりより街の雰囲気がイメージできます。今回のススキノの場合はまったくイメージができないので、正直街物としては楽しめませんでした。

 

あくまで私のイメージですが池袋は若者とサブカルチャーの街ですが、渋谷のほうが洗練されていて秋葉原のほうがディープで池袋はその中間てな感じです。新宿はもっと大人の街で純粋に歓楽街ってイメージです。

 

ススキノはどんなイメージなんでしょう。この手の街がテーマになっている小説は、舞台の街を知っていたほうが絶対楽しめるの北海道に行ったときはぜひススキノによってみたいですね。

 

 

複雑なストーリーと軽いキャラ

物語の筋は二転三転して結構複雑重厚かなって個人的には思いました。それに対して登場人物、主人公の「俺」や主人公の仲間の高田などわりと軽い性格のキャラクターが物語の中心になります。

 

主人公の軽いノリのおかげで物語がどんよりと重くなり過ぎずにすみます。また、軽いノリで危険な話にもグイグイ首を突っ込んでいくので(当然危険な眼にもあいますが)テンポ良くストーリーが進行していきます。

 

この複雑なストーリーと軽いキャラクターのバランスが絶妙なのが、この話の面白さの一端なのかなって思いました。

 

 

映画『探偵はBARにいる』の原作

小説の『探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)』は探偵の「俺」がススキノで活躍するハードボイルドシリーズの第一作目です。 ちょっとややこしいのですがススキノハードボイルド第二弾の小説『バーにかかってきた電話』を原作に大泉洋さん主演の映画『探偵はBARにいる 通常版 [DVD]』が作られました。

 

映画も見ましたがかなり面白かったです。主演の大泉洋さんがお調子者でいい加減な主人公の「俺」のイメージにはまっていて、一度映画を見てしまうと小説を読んでも確実に大泉さんで脳内再生します。原作にほぼ忠実ですが「俺」の相棒として高田の活躍が増えていて、アクションが多めになっているのも映画としてはいいバランスだと思います。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

私の場合は、街物としては残念ながら楽しめませんでしたが、ハードボイルド探偵物としては『池袋ウエストゲートパーク』や『新宿鮫』と同じくらい楽しめたので星四つです。

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