おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『新解さんの謎』 赤瀬川原平 辞書はよみもの

      2016/01/20

最近読んだ本008

『新解さんの謎』(文庫) おすすめ度☆(ジョーカー的な意味で)

赤瀬川原平(作家別索引) 文春文庫 1999年4月    

おすすめポイントを百文字で

辞書の面白い記述を並べただけなのに、そこにはキャラクターもストーリーもあります。本気なのか悪ふざけなのか、少なくとも私は笑えて電車の中では読めません。興味がある人だけ読めばいい、そんなエッセイです。

 

 

あらすじ

辞書の中から立ち現われた謎の男。魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない――。「新解さん」とは、はたして何者か?三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察「紙がみの消息」を併録。(作品紹介より)

 

 

新解さんの「恋愛」

本の内容は要するに『新明解国語辞典』の面白い記述を紹介するというエッセイです。何をどうがんばってもネタバレになるので、開き直って面白いものいくつか引用します。

れんあい【恋愛】—する 特定の異性に特別の愛情をいだいて、ふたりだけで一緒に居たい、できるなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。「—結婚⑤・—関係⑤」(P12~14)

いや、まあ、そうだけども「合体」って。「まれにかなえられるって」。ちなみに「合体」の記述もかなり秀逸ですがここではやめときます。そこそこきわどいはなしなので。

 

 

新解さんの「動物園」

【動物園】生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえられてきた多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。(P138)

正しいと思います。きわめて正しい記述ですが、うん、嫌いなんでしょう。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

ちなみに後ろの半分は「紙がみの消息」という紙にまつわるエッセイです。1993年前後に書かれていて、紙の電子化やデジタルカメラに言及していて、2015年の視点から見るとなかなか興味深いです。

 

新解さんの話を友人にしたところ、すごく興味を持ってくれた友人と、死んだ魚のような目をした友人に分かれました。こういった話って興味のある人にはすごく面白いけど、あまり興味がないと「ふ~ん」で終わってしまうなってことでおすすめ度としてはジョーカー的な意味合いで星一つです。

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