おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『レインツリーの国』 有川浩 どうする俺?

      2016/01/13

最近読んだ本004

『レインツリーの国』(文庫) おすすめ度☆☆☆

有川浩(作者別索引) 新潮文庫 2009年7月

 

 

おすすめポイントを百文字で

自分ならどうする、と考えてしまう作品。女性側に聴覚障害のある恋愛の話ですが、私は人間力で彼氏に完敗です。最終的には自然な流れで、性格的な相性に物語の軸がシフトしてるのが素敵だなと思います。

 

 

あらすじ

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざる得ない、ある理由があった――。(作品紹介より)

 

 

図書館戦争の作中作

前回紹介した『図書館戦争』シリーズの第二巻の『図書館内乱』で、聴覚障害の女の子毬江に聴覚障害があるヒロインの本を進めたことが人権侵害として、問題にされる話があります。

 

本を進めた図書隊の小牧と毬江は幼なじみで、差別的な意図などないのに、色々な思惑もあって問題になってしまうという話です。 その本がレインツリーの国で、コラボ企画として出版社は違いますがほぼ同時期に発売され、レインツリーの国の表紙が図書館内乱の表紙に書き込まれたりしてます。

 

 

自分ならどうする

私は男なので彼氏側に感情移入して物語を読んだのですが、どうする俺?正直多分無理!と言うのが結論です。

 

同情と愛情や配慮とお節介を区別しながら、付き合いを深める自信はないなと思いました。今付き合ってる女性がいるのですが、彼女が突発性難聴になったら支えてあげられるかなとは思います。

 

けど、この作品のように聴覚障害がある女性と恋愛して行けるかというと、考えてしまうのが正直なところです。配慮とお節介がうまく区別できなくなって、お互いに苦しくなりそうな気がします。

 

 

結局は……

終盤になると物語の軸が性格的な相性の話になります。ヒロインの女の子はちとめんどくさい性格だったりするのですが、彼氏がそのことを障害のせいではなく、もともとの性格だと自然に考えるようにはります。

 

この辺の流れが個人的にはすごく素敵だと思いました。結局は恋愛において大切なのは障害ではなくてお互いの性格なのかなと、私も自然に思わされていました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

図書館戦争シリーズを2008年にアニメ化する条件として、先に書いた毬江の話は、放送しないということがあったそうです。

 

けれど、図書館戦争の実写では、2015年に毬江の話もテレビで放送しましたし、このレインツリーの国も映画化しました。世の中多少まともになっているんですかね。単に有川浩さんが人気作家になったからな気もしますが。

 

ただ、障害のある人の話をフィクションできちんと書くのは、いいことなんだと思いました。聴覚障害についてすごく勉強になったし。けれど、物語としてはわりとシンプルな恋愛ものということで、星3つです。

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