おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『図書館戦争』シリーズ 有川浩 立体感がハンパ無い

      2016/01/12

おすすめ本005

『図書館戦争』シリーズ(文庫) おすすめ度☆☆☆☆☆

有川浩(作家別索引) 角川文庫 2011年4月~2011年8月

 

 

おすすめポイントを百文字で

とんでも設定のラブコメと思いきや、アクションあり、謀略あり、差別用語や言葉狩りの問題ありと立体的な読み方ができます。いろいろ楽しめるけど、最終的に私の場合は思う存分キュンキュンしてしまいました。

 

 

あらすじ

2019年(正化31年)。公序風俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが……!?番外編も収録した本と恋の極上エンターテイメント、スタート。(作品紹介より)

 

 

とんでも設定

物語は行き過ぎた検閲を行う良化特務機関と主人公が属する検閲から本を守るための組織・図書隊が、銃器を使って争う世界です。基本的には現代の日本と変わらないのですが、検閲対象の本をめぐって二つの組織がマシンガンやライフルまで使い争っています。こうやって文字にしてみると、ギャグかと思うほどとんでも設定ですが、思いのほかリアリティーがあります。

 

憲法の解釈や法律関係、国民感情など思いのほか細部まで世界観が書かれていて、もしかしたらあるかもと思わされます。物語の中で国民は直接自分に利害がない限り無関心で検閲状態に慣らされてしまっている状態なのですが、これなんて現実世界でも似たようなことがおきているなって思ったりします。

 

個人的には検閲が行われている日本を外国がどう見ているか、なんてことが気になったりしましたが、これについても第四巻で説明されています。

 

 

物語の立体感

物語の軸は不器用な男女のあまあまな恋愛ものなのですが、それ以外にも見所が多すぎます。

 

不適切な本を回収するために図書館攻め込む良化特務機関と図書館を守る図書隊の戦闘シーンは、迫力のあるアクションものといえます。また、図書隊内部の派閥争いや良化特務機関や法務省、警察などさまざまな利害が入り乱れる駆け引きは謀略もの。

 

また、物語のひとつのテーマにもなってる公序風俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』。要は差別用語がある本などのメディアを取り締まる法律ということなんですが、いわゆる言葉狩りです。たとえば「床屋」。この言葉が差別用語ということで、物語ではその言葉が載った本が検閲で没収されると問題になります。

 

けど、「床屋」という言葉が差別用語とされているのは、現実世界にでも同じなのです。一応「床屋さん」という言い方ならOKだそうですが、「床屋」ってテレビで言うのまずいそうです。

 

ちと話がそれましたが、言葉に関する事柄を中心に聴覚障害者の話など結構社会問題的なものも取り上げています。   さまざまなテーマをエンターテイメントの枠組みのかなで、立体的に読めるのがこのシリーズの醍醐味といえます。

 

 

書評的読書感想文のまとめ

私の場合、何度も読み返しいろいろな角度で楽しみましたが、最終的には不器用なふたりの恋愛を眺めながらにやにやしたりキュンキュンしたりしていますってことで、最高評価星五つです。

 

ちなみに、『図書館戦争』シリーズを読んでみたいと思った方は、単行本ではなく文庫版で読むことを強くおすすめします。文庫版特典が充実していて番外編も読めますし、児玉清と有川浩の対談が秀逸です。

 

映画も見に行ってきました。

前作とこないだテレビでやったスペシャルドラマを予習してから、映画を見に行ってきました。

 

率直な感想は、面白いでも銃撃戦長い、って思いました。原作をしっかりリスペクトしていて、配役も違和感ないです。原作主人公の郁役の榮倉奈々さんと堂上役の岡田准一さんのはまりっぷりは見事だと思います。また、堂上の格闘シーンはキレッキレでめっちゃかっこいいです。

 

惜しむらくは銃撃戦を短くして(この銃撃戦があるからこそ緊張感が増して、ラストのシーンが盛り上がるのですが)、もうちっとだけあまあまな恋愛シーンを増やして欲しかった糖分不足の36歳おっさんです。

 

今回の映画はエピソード的には第三巻の内容だったので、第四巻のエピソードで続編作ってくれないかな、映画的には第四巻が一番映えるんだけどな~って思うくらい面白かったです。

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