おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『トッカン the 3rd おばけなんてないさ』 高殿円 シリーズで一番面白い

   

書評的な読書感想文384 おすすめ度☆☆☆☆

『トッカン the 3rd おばけなんてないさ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

高殿円(作家別索引

ハヤカワ文庫 2014年3月

お仕事 ミステリー(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

シリーズで一番面白い。税金の話は色々と仕掛けがあって楽しめました。様々な理由で身近には感じられませんが。また、タイトルの「おばけ」には色々な意味があって、働き方や生き方についても考えさせられます。

 

あらすじ

特別国税徴収官(トッカン)の鬼上司・鏡とのコンビも2年目に入り、ぐー子も自身の成長を感じていたある日、鏡の故郷・栃木への出張が決まった。今回の相手は鹿沼にある運送会社と日光の霊水を使った霊感商法だ。滞納者たちが秘めた恐るべき事情が明るみに出たとき、ぐー子が宙を舞い、鏡の推理が冴え渡る。おまけに思わぬところで鏡の元嫁が現われて……人とお金の謎に迫る税務署エンターテインメントシリーズ第3弾!

 

「トッカン」シリーズ第三弾

井上真央さん主演でドラマ化もした「トッカン」シリーズの第三弾で、以前このブログでも紹介した『トッカン 特別国税徴収官』、『トッカン VS勤労商工会』続編です。

 

主人公のぐー子と鏡の関係や、トッカンなど税務署の仕事や用語を理解していたほうがより楽しめると思うので、シリーズの第一弾から読むことをおすすめします。

 

シリーズ最高傑作

です。前作は税金の話が少なく期待はずれだったと感想を書きましたが、今作は税金の話と、それ以外の仕事の悩みや働き方の話のバランスがちょうど良くとても楽しめました。

 

物語のベースは、霊感商法の会社や運送会社、そして意味ありげな描写で語られるとある家族から税金を徴収する話になっています。単なる雇われの身で、壮絶な幼少期を送ってもいない(多少貧乏でしたが)私からしたらあまり身近に感じることのできない内容ではありますが、脱税をするための様々な裏道が紹介されていて興味深く読めました。

 

一作目同様、ミステリー調というかいくつか仕掛けがある物語のつくりになっているので、最後までハラハラドキドキ楽しめました。

 

「おばけ」の意味

二作目でも取り上げられていたテーマ「働く意味」について、今作でも取り上げられています。前作では、このテーマが前面に出すぎていたことと主人公のぐー子がネガティブすぎで読むのがしんどくなってしまいましたが、今作ではネガティブになりすぎることなく程よく掘り下げられているので色々考えさせられました。

 

働き方を考える上でキーワードとなっていのが「おばけ」です。サブタイトルにもなっている「おばけ」は上にも書いた霊感商法会社の脱税の話にも掛かっていますが、それ以外にも色々な意味がこめられています。

 

その中の一つが職場にいるおばけ。本文では

たくさんの人間の集まりである職場。…だけれど、そんな中に、幽霊が混じっている。(P416)

なんて書かれていますが、私の職場にもいますし、私自身がこれに近い状態になったこともあって、かなり身につまされて読みました。働くってなんだろうと考えさせられます。

 

書評的な読書感想文のまとめ

税金の話とそれ以外の話のバランスが良く、どちらの話も興味深く読めるシリーズ最高傑作です。新社会人の人やこれから社会に出る人はもちろん、元新社会人の人にも懐かしくも興味深く読めるだろうってことで、おすすめ度は星四つです。

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