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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ライト・グッドバイ』 東直己 2017年12月1日第三弾映画公開

   

書評的な読書感想文376

『ライト・グッドバイ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

東直己【東直己さんの他の作品】(作家別索引

ハヤカワ文庫 2007年7月

ハードボイルド ミステリー(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

タイトルの意味が明らかになる、ラストシーンの鮮やかさが印象的ですが、物語としてはそれ以外は特筆すべきものがありません。ただ、犯人の気持ち悪さ、〈俺〉の美意識、高田の恋と各キャラの持ち味は発揮されています。

 

あらすじ

「女子高生行方不明事件の容疑者と親友になれ」。退職した元刑事の種谷が〈俺〉のもとに持ち込んできた話は、きわめて不愉快なものだった。そいつと親しくなって家に乗り込み、証拠となる死体を見つけてこいというのだ。偶然を装って男に近づき、気の合うふりをして付き合いを深めてゆく。だが、そいつは一緒に酒を飲むのはまっぴら御免、〈俺〉が最も嫌いなタイプの男だった……ススキノ探偵、生涯最低の苦い冬を描いた異色作(作品紹介より)

 

『探偵はバーにいる』のススキノ探偵シリーズ第七弾

『探偵はバーにいる』と以前紹介した

バーにかかってきた電話

消えた少年

探偵はひとりぼっち

探偵は吹雪の果てに

駆けてきた少女』の続編で、シリーズ第七弾です。

また、以前紹介した『向う端にすわった男』は短編集なので、シリーズのナンバリング外のようです。

 

また、2017年の12月1日にはついに第三弾の映画が公開するそうです。いつもの二人に、北川景子さんをヒロインに迎えた映画オリジナルストーリーです。個人的に注目しているところは、無敵の高田がピンチに陥るシーンで、普段のクールな感じの高田がピンチになってどう変化するかが見ものです。

 

ラストシーンが鮮やか

物語は、主人公の「俺」が女子高生殺人事件の容疑者と仲良くなり、殺人の証拠を探し出せという依頼を受けたところからはじまります。ストーリーは今までのシリーズ作品に比べてわりと単純で、アクションシーンやどんでん返しも少な目です。

 

正直、ストーリーに関しては特筆すべきことは無いのかなって思いますが、ラストシーンの鮮やかさは印象的です。ずっと謎だったタイトルの意味がラストで明かされて、それまでにちょっと嫌な空気が漂っていたこともあって、すっと胸がすく爽やかなラストシーンになっています。

 

本筋以外の見所

個人的にはストーリー以外に今作の見所があるのかなと思います。その一つが主人公が友達になろうとする女子高生殺人事件の容疑者の桧垣の気持ち悪さです。典型的なオタク体質で、死体マニアの桧垣が『火垂るの墓』のラストシーン(女の子が亡くなるシーン)について語る場面は、鳥肌が立つほど気持ち悪いです。

 

気持ち悪さが見所というのもおかしな感想ですが、物語の中でこれほど気持ち悪い登場人物も珍しいということで、やはり見所といえるのではないかと思います。

 

他の見所としては、50才近くなった「俺」の美意識、特に嫌いなものが語られているところです。桧垣は当然嫌いですが、第三セクターや腐敗した北海道警察批判など政治的なもの、お酒の飲み方や趣味に対する意識などなど、嫌いなものがかなりの数あげられています。

 

共感できるものも、できないものもありましたが、今さらながら「俺」の内面に触れられるので、シリーズのファンは楽しめると思います。

 

最後にあげる見所は、高田の恋です。意外や意外、でも納得してしまう、ある人物に高田が恋をします。

 

書評的な読書感想文のまとめ

決して読んで後悔するような作品ではありませんし、シリーズを追いかけている人は読むべきです。ただ、シリーズの他の作品と比べるとちょっと落ちるかなってことで、おすすめ度は残念ながら星二つに近い、星三つです。

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