おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『れんげ野原のまんなかで』 森谷明子 図書館のミステリー

   

書評的な読書感想文342 おすすめ度☆☆☆☆

『れんげ野原のまんなかで』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

森谷明子(作家別索引

創元推理文庫 2011年9月

ミステリー お仕事(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

図書館で起きる謎を題材としたミステリー。なんてことのない謎から、シリアスな謎までありますが、個性的な登場人物たちのおかげで全体的にほのぼのとした雰囲気です。このメンバーでの続編が読みたいと思わされる作品です。

 

あらすじ

新人司書の文子がこの春から配属されたのは、のんびりのどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真中という立地のせいか利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし、この図書館を訪れる人々は、ささやかな謎を投げかけてゆく。季節のうつろいを感じつつ、頼もしい先輩司書の助けを借りて、それらの謎を解こうとする文子だが……。すべての本好き、図書館好きに捧げるやさしいミステリ。(作品紹介より)

 

図書館ミステリー

今回の作品は、以前紹介した門井慶喜さんの『おさがしの本は』のあとがきに、図書館を舞台にしたミステリーとしておすすめされていたので、今回読んでみました。

 

『おさがしの本は』は図書館「司書」のミステリーで本探しがメインでしたが、今作の主人公は図書館員ですが本探しがメインではなく、図書館という舞台設定を生かした日常ミステリーが中心です。

 

さまざまな謎

物語は五話の短編からなります。それぞれの話で一つずつミステリーが起きるのですが、軽い内容の話から重い話まで内容も謎もさまざまです。

 

小学生が次々と閉館以降も図書館に居残ろうとする謎や洋書の絵本を使った暗号の謎などがあるのですが、個人的に印象に残ったのは雪女の正体の謎です。

 

この話だけ舞台は図書館を離れてある旧家の屋敷で起きます。その屋敷の主が子供の頃見た雪女の正体に、主人公たちが迫る物語なのですが、意外だけど納得できて、ちょっぴり悲しい結末が印象に残りました。

 

個性的なキャラクター

物語の主人公は平凡な新人司書なのですが、脇を固めるキャラクターが個性的です。探偵役の先輩司書の能勢はとある事情で居眠りばかりしていますが、かなりの切れ者でさまざまな謎を解き明かします。同じく主人公の先輩司書の日野は豊富な知識で主人公を導きます。

 

そして、私が一番のお気に入りのキャラクターは舞台となる図書館の土地を寄付した地元の名士の秋葉です。寄付した土地に建っている図書館をできの悪い店子のように思っていて、何かとおせっかいを焼いたりします。暗くなってしまうような語もありますが、秋葉たちが出てくるおかげでなんとなくほのぼのした雰囲気なって気持ちよく物語を読み進めることができます。

 

書評的な読書感想文のまとめ

図書館を舞台にしたなんてことはない日常ミステリーですが、さまざまなタイプの謎を楽しめますし、主人公の脇を固めるキャラクターも秀逸です。

 

脇役たちにはまだまだ掘り下げる余地がありそうですし、このメンバーでの続編を読みたいと思わされたってことで、おすすめ度は星四つです。

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