おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『江戸学講座』 山本博文 聞き手:逢坂剛 宮部みゆき

   

書評的な読書感想文336 おすすめ度☆☆☆

『江戸学講座』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

講師:山本博文 聞き手:逢坂剛 宮部みゆき(作家別索引

レーベル 2014年11月

ノンフィクション 時代(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

武士や奥女中の仕事の話、江戸の治安と災害、旅と海外貿易がテーマです。対談形式なので読みやすく、町奉行のシステムなど興味深いし、今後時代物を読むときに役に立ちそうです。ただ、庶民の話が少ないのが残念。

 

あらすじ

能力があり過ぎたため、出世できなかった長谷川平蔵。出張の費用に当てるため、娘を遊女屋に預けて、お金を借りた旗本……。武士たちの出世競争から、治安維持と災害対策、海外貿易まで、二人の人気作家の鋭い疑問に、東大史料編纂所の山本教授が明快に答え、意外な事実が明らかに。手練作家たちも思わず唸った「江戸時代通」になれる話を満載。『山本博文教授の江戸学講座』改題(作品紹介より)

 

時代物を楽しむために

今回の作品は、東京大学史料編纂所教授の山本博文さんが講師、作家の逢坂剛さんと宮部みゆきさんが聞き手となって行った対談をまとめたものです。

 

江戸時代の武士の仕事や生活についての話が多く、時代物を楽しむのに必要な知識を得ることができます。聞き手がさすがに作家さんだけあって鋭い質問も多々あり、いままで気になっていたけどしっかり理解できていなかったことが、はっきり理解できました。

 

武士と奥女中のサバイバル・ゲーム

第一部のタイトルが「武士と奥女中のサバイバル・ゲーム」。このタイトルだけで既に面白そうです。

 

ここでは武士と奥女中の仕事や出世争いについて語られています。旗本の出世ルートが図解にされていたり、奥女中の役職が解説されています。個人的にはあまりよくわかっていなかった奥女中の役割について、しっかり解説されていたのがうれしいです。

 

また、武士の出世争いでは結構醜い足の引っ張り合いがあったようで、鬼平で知られる長谷川平蔵は優秀すぎてあまり出世できなかったようです。

 

治安維持と災害対策

第二部は「治安維持と災害対策」。

 

江戸の治安を守る江戸町奉行のシステムがかなり詳しく書かれているのがうれしいです。与力と同心の違い。各与力、同心の役割などが語られていて、捕物帳の物語を読むときにはかなり助けになります。

 

災害対策については、明暦の大火と安政の大地震について語られています。どちらもとんでもない規模の被害が出ていて、安政の大地震については、死者の数や倒壊した家屋の数が具体的に示されています。

 

旅と海外貿易

ラストの第三部は「旅と海外貿易」がテーマです。

 

旅に関しては、武士の出張の話やお伊勢参りが語られています。庶民にとっては一生に一度の旅となる人もいるお伊勢参り。江戸時代のツアーガイドの仕事や関所を抜ける手形の仕組みなど興味深く読めました。

 

海外貿易については、なぜ鎖国になったのか、貿易を継続した国はどこの国で、どのようにして貿易をしたのかなどが語られています。密貿易である抜け荷の手口の話など面白かったです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

江戸時代の時代物を楽しむための知識がたくさん得られる本です。ただ、ここで語られていることの多くが、武士についての話で庶民についてはあまりふれられてないのが、個人的にはかなり残念でした。このタイプの本で庶民をメインにした本がほしいです。

 

ただ、時代物はファンなら読んで損はないってことで、おすすめ度は星三つです。

作家別索引

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