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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』 江國香織 タイトルが印象的

   

書評的な読書感想文329

『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(文庫)

おすすめ度☆☆(星数別索引&説明

江國香織【江國香織さんの他の作品】(作家別索引

集英社文庫 2005年2月

恋愛 人間ドラマ(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

ストーリー性があまり感じられず、苦手なタイプの作品です。ただ、正直よく分からないのという印象はこの作者の他の作品と同じでしたが、なんとなく雰囲気や言い回しを楽しむことができたところもありました。

 

あらすじ

安全でも適切でもない人生のなかで、愛にだけは躊躇わない――あるいは躊躇わなっかた女たち。愛することと幸福とは同義では決してなく、彼女たちの潔さは、泣きたくなるほどせつない。恋愛の高揚感、男が去った後の寂寥、愛と生活との断層、嫉妬の苦しみ……。愛することをとおして人生を切りとった、心にしみとおる傑作短篇集第15回山本周五郎賞受賞作。(作品紹介より)

 

『落下する夕方』の作者の山本周五郎賞受賞作

原田知世さん主演で映画にもなった『落下する夕方』の作者の江國香織さんの山本周五郎賞受賞作品。

 

10編の短編からなる作品で、どの短編も「愛にだけは躊躇わない――あるいは躊躇わなっかた女たち。」の人生の一部分が描かれています。

 

苦手です。

江國香織さんの直木賞受賞作品の『号泣する準備はできていた』を紹介したときに、私はこんな感想を書きました。

何が良いのかよく分からない、というのが正直な印象。とても美しい文章ですが、物語に起伏が少なく苦手なタイプの話です。

 

今回もほぼ同じような感想を抱きました。私は小説にはある程度のストーリー性が欲しいので、あまり起伏を感じられないこの作品は苦手ですし、正直どこで楽しんだら良いのか良く分かりません。

 

タイトルの印象的

ストーリー性が感じられず苦手という意味では『号泣する準備はできていた』と同じですが、今作のほうがより共感できたり、印象に残った部分が多く、読みやすかったです。

 

例えば表題作の「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」。もともと文言の意味は、アメリカの川べりにある遊泳禁止看板の文章を日本語に訳したものです。直接「禁止」と書かないあたりが自己責任の範疇が広いアメリカらしいかなって思いますが、作者はこの文章を書いた看板を

私たちみんなの人生に、立ててほしい看板ではないか。(P27)

なんて書いていて、とても共感でき、印象に残りました。「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」が、それでもがんばって泳がなければいけないのが「人生」です。

 

他には「うんとお腹をすかせてきてね」。毎晩一緒にご飯を食べるカップルの物語なのですが、そのなかの

「美代のいないところで物を食っていても、ちっともうなくない」(P40)

というセリフも印象に残りました。私は恋人がいないところでもおいしく食事はできますが、恋人との食事にかなり力を入れるタイプなので共感できました。

 

書評的な読書感想文のまとめ

江国さんの作品は二作目ですが、どちらもストーリー性があまり感じられず、どこを楽しめば良いのか分からない、という印象は共通しているってことで、おすすめ度は星二つです。

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