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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『増補 ハナコ月記』 吉田秋生 祝画業40周年

   

書評的な読書感想文318

『増補 ハナコ月記』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

吉田秋生(作家別索引

ちくま文庫 1995年12月

エッセイ 家族(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

三十年近く前のマンガ作品なので服装や髪型などは古めかしいのですが、男女の機微については共感できました。私はクスリと笑いつつ楽しめましたが、さすがに吉田秋生ファン以外にはおすすめしません。

 

あらすじ

「オトコってどうしてこうなの?」とハナコさん。「まったくオンナってやつは……」とイチローさん。微妙なオンナゴコロはオトコたちには到底理解できないシロモノだ。ウフフと笑いをこらえながら吉田秋生が描いた(?)、ハナコさんとイチローさんが繰りひろげる、日常のあんなことやこんなこと。思わず共感、のオールカラー。(作品紹介より)

 

『Hanako』連載のエッセイマンガ

今回は『BANANA FISH』、『吉祥天女』や以前おすすめマンガで紹介した『海街diary』の作者の吉田秋生さんの作品。吉田さんといえば今年で画業40周年で『海街』を連載している雑誌『月間flower(外部リンク)』でいろいろ企画もあるそうです。

 

今作はマガジンハウスの雑誌『Hanako』にほぼ月一回、見開き2ページでの連載作品で1988年から1994年まで6年にわたり連載された物をまとめた作品。20代の同棲カップルの日常のあれこれを描いたエッセイ風マンガで、共感できたりできなかったりしつつクスリと笑える作品です。

 

ほぼ30年前

今作の連載期間は1988年から1994年で、吉田さんの代表作『BANANA FISH』の連載が1985年から1994年なのでほぼ同時期の作品です。あんな硬派な作品と同時にこんなほのぼのした作品を書いていたなんて意外でした。

 

もちろん今から30年近く前の作品なのでいろいろと古めかしいところがあります。主人公の26歳のハナコの髪型がソバージュだったり、同棲相手のイチローはセーターをプロデューサー風に肩にかけてたりしています。みんなスキーに夢中で米不足に苦労していたりもします。

 

ただ、30年前の20代同棲カップルのファッションや文化を懐かしみながら、もしくは初体験して、楽しむのもこの本の見所の一つかもしれません。

 

女だけでなく男の気持ちも分かってる

解説で糸井重里さんはこの作品の主題は「オンナゴコロは、わからないもの」といっています。ただ、吉田秋生さんはオトコゴコロについてはわかっていそうです。オンナゴコロはもちろんですが。

 

ブティックの紙袋や包装紙をきれい取っておくハナコさんに対し、めいっぱいの自制心でつっこまないイチロー(P32,33)。買い物に付き合ってるときに、試着した服を見せられてどーでも良いと思いつつも、いいねといってしまうイチロー(P10,11)など、何で女性の吉田さんがここまで知ってるのっていうほど、イチローに共感できるポイントが多々あります。

 

まあ、これくらいオトコゴコロが分かっていなければ『BANANA FISH』のような男が読んでも楽しめる少女マンガが描けるわけがないと納得できますが。

 

もちろん『Hanako』という女性向け雑誌の連載なので、女性がハナコや二人のやり取りに共感できるポイントもたくさんあるでしょう。30年たっても男女の機微はそうそう変わるものじゃないようです。

 

書評的な読書感想文のまとめ

引っ越しの片付けの際の男と女の取り組み方の違いなど、同棲カップルの男女の機微を共感させつつも、クスリと笑えるエッセイマンガで描いてる今作品。吉田秋生さんの作品はほぼ制覇している吉田ファンの私は、こんな作品も書いているんだと感心しつつも楽しめました。

 

ただ、だからといって吉田秋生ファン以外の方があえて30年前のこの作品を読んだほうがよいかといえば、さすがにそうは思えず、吉田ファン限定でおすすめってことで、星三つです。

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