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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『白い薔薇の淵まで』 中山可穂 レズビアン小説

   

書評的な読書感想文313

『白い薔薇の淵まで』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

中山可穂(作家別索引

集英社文庫 2003年10月

恋愛 純文学(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

女性二人の破滅的な恋愛物語。共感できないことも多かったのですが、これだけエネルギッシュに恋愛できるのは羨ましく感じました。また、性的表現が変にいやらしくなく、純愛に思えるのが不思議です。

 

あらすじ

ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが……。すべてを賭けた極限の愛の行き着く果ては?第14回山本周五郎賞受賞の傑作恋愛小説。発表時に話題を呼んだ受賞記念エッセイも特別収録。(作品紹介より)

 

レズビアン小説の山本周五郎賞受賞作品

今回の作品は、女性と女性の恋愛を描いた、いわゆるレズビアン小説の山本周五郎賞受賞作品です。

 

作者の中山可穂さんがレズビアンであることを公表しているうえに、初期の作品はほぼ女性同士の恋愛をテーマにしているで、「ビアン作家」と呼ばれることもありますが、ご本人はそのことを嫌悪しているそうです。ただ、最近の作品では女性同士の恋愛以外の作品も書いているそうです。

 

今回の作品は、新進の女性作家と平凡なOLの破滅的な恋愛を描いた作品で、ご本人は不本意かもしれませんがレズビアン小説の代表的な作品の一つになっています。

 

破滅的な恋愛物語

物語は女性二人の恋愛、それも破滅的な恋愛を描いています。深く愛し合い、ケンカをして修羅場になり、また愛し合う。二人は別れを決断するも、再び付き合うことに。

 

お互いがこの恋愛の結末が破滅しかまっていないことに気付いていながら、分かれることが出来ない強い結びつきを描いています。

 

正直に言うと、恋愛偏差値の低い私には(同性愛ということはさておき)、基本的には共感できない恋愛物語ですが、これだけエネルギッシュに恋愛できるパートナーに出会えることは羨ましく思えました。

 

また、わりと直截な性愛の描写がありますが変にいやらしく感じず、純愛に思えるのが不思議ですごいところです。

 

リボンの色

物語のなかで印象に残った部分を引用します。

性別とはどのみち帽子のリボンのようなものだ。意味などない。リボンの色にこだわって帽子そのものの魅力に気がつかないふりをするのは馬鹿げている。自分の頭にぴったりと合う帽子を見つけるのは、実はとても難しいことなのだ。(管理人:中略)だから、これだと思う帽子が見つかったときは、迷わず買ってしまったほうがいい。リボンが気に入らなかったら取ればいいのだ。(P9)

私は男性で、恋愛の対象は女性のみなので、上の文章に共感することはできませんでした。ただ、共感することはできませんが、妙に説得力のある文章でとても印象に残りました。

 

書評的な読書感想文のまとめ

大げさに言えば魂のつながりを感じさせる、破滅的だけどエネルギッシュでピュアな恋愛物語です。恋愛小説が好きな人で女性同士の恋愛がどうしても受け入れられないって人以外にはおすすめってことで、星三つです。

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