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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『海賊とよばれた男』 百田尚樹 胸が熱くなる

   

書評的な読書感想文294

『海賊とよばれた男 上・下』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

百田尚樹(作家別索引

講談社文庫 2014年7月

経済 お仕事(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

こんな本を読んだら、胸が熱くならない訳がない。理不尽な妨害に屈することなく筋を通す主人公がたまらなくかっこいいです。さらに、必ず主人公の正義に共感してリスクを犯して助けてくれる人がいるのも泣けます。

 

あらすじ

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。(上巻・作品紹介より)

 

「探偵!ナイトスクープ」の放送作家

元々は「探偵!ナイトスクープ」で長らく放送作家をやられていて、映画にもなった『永遠の0』で作家デビューした百田尚樹さんの作品。今作は2013年の第十回本屋大賞受賞作品で、岡田准一さん主演で映画にもなっています。

 

今回の作品は戦前から戦後にかけて一代で大手石油会社の出光興産を作った出光佐三をモデルにした物語で、あらゆるこんなに立ち向かって信念を貫き通した人物の一代記です。

 

とにかく胸が熱くなる

従業員は家族という信念のもと、終戦後どんなに苦しくても従業員をひとりも馘首せず、定年も出勤簿もない、そんな会社「国岡商店」の店主・国岡鐡造が主人公の物語。

 

この鐡造という人物がすごい人で、消費者のため、日本のため、従業員のために石油の供給でもって貢献しようと、さまざまな困難に対して立ち向かい、勝利を勝ち取ってきた人です。

 

ことあるごとに同業者やメジャーと呼ばれる欧米の大手石油会社が、国岡商店をつぶしにかかってきます。特に欧米の石油会社は国岡商店というよりも、日本自体を食い物にしようと、さまざま策略を仕掛けてきます。それに対して、他の日本の石油会社は目先の利益のみで欧米の石油会社に擦り寄るなか、鐡造だけは日本のためを思って対抗します。

 

理不尽に屈することなく、日本や消費者の利益のために、筋を通す鐡造に何度胸が熱くなったか分かりません。そのなかでも、国内外の石油会社が国岡商店に対して包囲網を強いてきたときに、イギリス海軍に拿捕や撃沈されるのも覚悟の上で、イランにタンカーを派遣し、石油を輸入した話では特に胸が熱くなりました。

 

助けてくれる人がいる

信念をもって困難に立ち向かう鐡造ですが、そんな彼をリスクを承知で助けてくれる人がいるのも、この物語の見所の一つです。不況の際に融資した金の返済を迫られピンチに陥ってたときに、鐡造の信念や国岡商店の従業員の働きぶりを知っているある銀行が、ほぼ無条件に融資をしてくれたりします。

 

戦後の日本を食い物にしようとする欧米の石油会社の手先として動くGHQや日本の役所の中にも、鐡造の考えに理解を示して助けてくれる人がいたりします。

 

どんなに追い詰められても、信念をもって正しいことを行っていれば、その正義に共感して助けてくれる人が必ずいることが描かれていてちょっと泣けます。

 

書評的な読書感想文のまとめ

困難に立ち向かって最後は報われるといったパターンの話がいくつもあって、ちょっとワンパターンかなとは思います。ただ、あくどい欧米の石油会社のやり方に、信念と正義を貫き戦う鐡造の姿は、かっこよく胸が熱くなります。

 

読み終わった後、すごく前向きになれる作品ってことでおすすめ度は星四つです。

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