おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『吉原暗黒譚』 誉田哲也 初期の作品

   

書評的な読書感想文290

『吉原暗黒譚』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

誉田哲也【誉田哲也さんの他の作品】(作家別索引

文春文庫 2013年2月

ミステリー 時代(ジャンル別索引

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

読みやすさと主人公と相棒のキャラが良いです。話の筋は途中で読めてしまったと思いきや、最後に驚きがあって楽しめました。ただ、この作者は時代物でなくても良いかな。ちょっとエログロ要素があります。

 

あらすじ

江戸の吉原で黒い狐面の集団による花魁殺しが頻発。北町奉行所の貧乏同士、今村圭吾は花魁たちを抱える女衒に目をつけ、金で殺しを解決してやるともちかけた。一方、大工の幸助は思いを寄せていた裏長屋の華、おようの異変に気づき過去を調べ始める。「姫川」シリーズの著者初の時代小説。傑作捕物帳登場。(作品紹介より)

 

姫川シリーズの作者の時代物

以前紹介した、『ストロベリーナイト』の姫川シリーズや『武士道シックスティーン』の武士道シリーズ作者である誉田哲也さんの作品。

 

今回の文庫本の出版は2013年になっていますが初出は2004年で上記の二つの代表作以前の、デビュー初期に書かれた作品で、私の中の勝手な誉田さんのイメージではちょっと意外な江戸時代の吉原が舞台の物語です。

 

ただ、誉田さんの最大の特徴であると個人的には思っている読みやすさはしっかりある上に、のちの代表作の萌芽的なものもみられます。ミステリー要素は姫川シリーズに繋がるし、いわゆる迫真の剣術シーンは武士道シリーズを彷彿とさせます。ファンの方ならそのあたりに注目しても楽しめると思います。

 

主人公サイドのキャラが良い

物語は吉原で起きた花魁連続殺人事件を主人公の貧乏同心・今村圭吾と相棒の彩音が追いかけるというお話。この圭吾と彩音がなかなかいいキャラしています。

 

圭吾は借金を抱えた不良同心で、今回の事件を利用してお金を稼ごうとします。殺された花魁がすべて同じ元締めの花魁であることに気付き、その元締めに半ば脅す感じで、事件を解決する代わりに金を出すように言います。ただ、悪人かというとそうでもなく、お人好しなところがあったり、ちょっと抜けていたりと憎めないキャラなのが好感をもてます。

 

また、その相棒の彩音は元は忍者でその後花魁になって身請けされ、今は髪結いをしているという女で、過去には人を殺しています。はすっぱで圭吾に反抗的なところもあるのに、素直で可愛い一面もあったりして、つかみどころのない面白いキャラクターになっています。

 

けっこう救いのない重い展開もあったりしますが、主人公サイドの二人がちょっとコミカルなとこもあるいいキャラをしているのが、この物語の魅力の一つです。

 

話が読めてから先がある

私はミステリーを読んでいてもあまり犯人を推理したりしないタイプなのですが、今回の物語に関しいては犯人や先の展開が読めてしまいました。ただ、別に自慢できることではなく、単純にその展開しか考えられない物語の作りになっているだけなのですが、読めたと思ってから先があるのには驚かされました。

 

詳しく語るとネタバレになるのでここではかけませんが、姫川シリーズを髣髴とさせる最後まで驚きがある展開は、さすが誉田さんだなと思いました。

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回の作品は誉田さんにしてはマイルドですがちょいグロいところがあります。また、ちょっと色っぽいシーンがあるので苦手は注意です。

 

内容的には誉田ファンとしては色々な意味で楽しめるとことがありますが、これ以上誉田さんの時代物を読みたいかというとそうでもないので(現代物が面白すぎるという意味でも)、おすすめ度は星三つです。

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