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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『有頂天家族 二代目の帰朝』 森見登美彦 祝アニメ化

   

書評的な読書感想文276

『有頂天家族 二代目の帰朝』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

森見登美彦(作家別索引

幻冬舎文庫 2017年4月

ファンタジー コメディ(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

前作の雰囲気はそのままに、新キャラも出てきて、悪ふざけ感とカオス感が増しています。前作を楽しめた人は絶対今回も楽しめます。個人的には狸たちの恋愛の話と各勢力が入り乱れた終盤がお気に入りです。

 

 

あらすじ

狸の名門・下鴨家の矢三郎は、親譲りの無鉄砲で子狸の頃から顰蹙ばかり買っている。皆が恐れる天狗や人間にもちょっかいばかり。そんなある日、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎ“二代目”が英国より帰朝し、狸界は大困惑。人間の悪食集団「金曜倶楽部」は、恒例の狸鍋の具を探しているし、平和な日々はどこへやら……。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ!(作品紹介より)

 

 

アニメ化で話題の『有頂天家族』シリーズ第二弾

毎度おなじみ「今好きな作家で打線を組んでみた。」で五番に入っている森見登美彦さんの作品です。今作はアニメの第二期が始まっていることでも話題の『有頂天家族』シリーズの第二弾です。今作から読んでも十分に思い白いのですが、以前このブログでも紹介した第一弾の『有頂天家族』から読んだほうが人間関係等がわかってより楽しめるでしょう。

 

面白く生きるほかに何もすべきことはない。

まずはそう決めつけてみれば如何であろうか。

私は現代京都に生きる狸であるが、一介の狸であることを潔しとせず、天狗に遠く憧れて、人間を真似るのも大好きである。この厄介な性格は遠い御先祖様から脈々と受け継がれてきたものに相違なく、今は亡き父はそれを「阿呆の血」と呼んだ。(P8)

これは作品の冒頭部分ですが、独特の言葉使いに世界観は前作から引き継がれてます。なので、前作の雰囲気が苦手な人にはおすすめしません。逆に前作が面白かった人は絶対に今作も楽しめるでしょう。

 

 

新キャラ登場

第一弾の作品紹介のときにも書きましたが、この作品の魅力の一つに個性的で愛らしかったり、胡散臭かったりするキャラクターたちがあります。その特徴は今作の新キャラにもしっかり出ています。

 

その代表格がタイトルになっている「二代目」です。二代目は前作にもでてきた天狗の赤玉先生の息子で、父親と大喧嘩を末に姿を消し、今回イギリスから100年ぶりに帰国しました。今作最大のトリックスターである弁天とも因縁があり、常に引き気味の立ち位置ながらも物語のキーマンになります。

 

このほかにも、その幻術で狸たちをも手玉にとる幻術師天満屋、南禅寺に住まう雌狸で将棋の名人の玉瀾などがいます。これらの新キャラのおかげで、物語にはよりいっそう悪ふざけ感やカオス感が生まれます。

 

 

狸の恋愛事情と怒濤の終盤

物語の本筋は、二代目と赤玉先生、弁天との因縁。下鴨家と夷川家の因縁。京都の狸の総大将たる偽右衛門問題など一言では説明できないカオスな感じであるのですが、その中でも私は狸たちの恋愛事情が印象に残りました。

 

主人公の父母、総一郎と桃仙の出合いや兄・矢一郎の不器用な恋など毛深くもほのぼのとした恋物語が楽しめます。中でも主人公・矢三郎の元許嫁・海星が姿を隠してしまうきっかけになった話は印象的で、ちょっぴり切なくなってしまいました。

 

また、物語終盤の怒涛の展開は期待以上の面白さでした。二代目と赤玉先生、弁天との因縁。下鴨家と夷川家の因縁。京都の狸の総大将たる偽右衛門問題に加え、前作にも出てきた金曜倶楽部で恒例の狸鍋の具材探しも絡んで、カオスでスリリングな展開になっています。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

この作品は、シリーズの一作目よりも二作目のほうが面白いという稀有な作品だと思います。ただ、このシリーズは三部作の予定のようなので、次回に期待をこめておすすめ度は星四つです。

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