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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ロスジェネの逆襲』 池井戸潤 半沢出向中

   

書評的な読書感想文272

『ロスジェネの逆襲 半沢直樹3』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

池井戸潤(作家別索引

文春文庫 2015年9月

経済 お仕事(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

相変わらず面白い。悪役がしっかり悪役していて、しっかり倍返しされるのが気持ちいいです。本筋の企業買収の話は先の見えない緊張感と驚きに溢れています。また、ロスジェネ世代というテーマが私には身近で深い。

 

 

あらすじ

子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか?大人気シリーズ第3弾!(作品紹介より)

 

 

半沢直樹シリーズ第三弾

以前紹介した『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』の続編で、半沢直樹シリーズ第三弾です。前の二作あわせて大ヒットドラマ『半沢直樹』の原作なので、今作はまだ映像化されていない作品です。

 

前二作とのつながりは全くないとはいえませんが、今作から読んでも問題ない作りになっています。ドラマから直接この作品を読んでも楽しめるでしょう。

 

 

企業買収、ライブドアを思い出します

今回の物語のテーマは企業買収です。半沢が出向している銀行の子会社の証券会社に、IT企業買収の案件が舞い込むも、親会社の銀行に汚い手で仕事を奪われてしまいます。しかし今度はひょんなきっかけで、半沢は買収される側の会社を守る仕事をすることに。ここに親会社の銀行と子会社の証券会社の企業買収対決が始まります。

 

ホリエモンこと堀江貴文さん率いるライブドアのニッポン放送買収事件(フジテレビとの対決)を思い出させるシーンがあったり、買収話の裏には卑怯な罠が隠されていたりと、最後は半沢が倍返しをするのはわかっていながらもハラハラドキドキする緊張感のある展開を楽しめます。

 

特にラストのどんでん返しには驚かされました。

 

 

悪役のデパート

このシリーズの売りはなんと言っても悪役なのかなって思います。これでもかというほど憎たらしい悪役がいることで、最後に訪れるカタルシスが大きくなるといえます。そんな半沢直樹シリーズの中でも今回は多種多様な悪役が登場します。

 

出向先の部下でありながら半沢を裏切り、情報を売ったことで銀行に返り咲く奴がいたり、汚い手で仕事を奪う親会社の銀行員などが出てきます。また、その上司である黒幕やいやみったらしいIT会社社長などいろいろなパターンの悪役が出てきて、でも結局はしっかり倍返しされてやられます。

 

このシリーズらしい悪役がやられるときの気持ちよさは健在です。

 

 

ロスジェネ世代

作品のタイトルにもなっている「ロスジェネ」。これは「ロストジェネレーション」の略で、バブル崩壊後の就職氷河期に就職を迎えた世代のことです。私もこの世代なので、作中で語られるバブルを謳歌した世代に対する反発やバブル崩壊のツケを背負わされた不満などにはすごく共感できました。ただ、作中で一番印象的だったのはロスジェネ世代の登場人物が語るこのセリフです。

いつもフェアなわけじゃないかも知れない。そこにフェアを求めるのは間違ってるかもしれない。だけど、たまには努力は報われる。だから、あきらめちゃいけないんだ。」(P386)

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

このシリーズらしさはしっかりとある上に、企業買収というテーマはハラハラドキドキ緊張感を持って読めました。テレビ原作に負けない面白さがあるってことでおすすめ度は星四つです。

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