おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『シューカツ!』 石田衣良 就活って面白い

   

書評的な読書感想文271

『シューカツ!』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

石田衣良(作家別索引

文春文庫 2011年3月

青春 お仕事(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

就活の流れや雰囲気は感じられて、就活を舞台にした青春成長小説として懐かしみながら楽しめました。ただ、ちょっと色々都合良すぎなのと仲間たちが良い奴すぎて、就活の生々しさは感じられないのは残念。

 

 

あらすじ

大学3年生の水越千晴は学内の仲間と「シューカツプロジェクトチーム」を結成。目標は最難関マスコミ全員合格!クールなリーダー、美貌の準ミスキャンパス、理論派メガネ男子、体育会柔道部、テニスサークル副部長、ぽっちゃり型の女性誌編集志望と個性豊かなメンバーの、闘いと挫折と恋の行方。直球の青春小説!(作品紹介より)

 

 

就活って面白い

毎度おなじみ「今好きな作家で打線を組んでみた」で一番に入っている石田衣良さんの作品です。タイトルそのままに、大学生の就職活動、就活をテーマにした物語です。この作品の存在自体はかなり前から知っていましたが、今回読んでみようと思ったきっかけは、以前紹介した朝井リョウさんの『何者』を読んで衝撃を受けたのと同時に、就活って小説のテーマとしてものすごく面白いなと思ったからです。

(勝負の春がきた)

千春は大学三年生である。就職活動、シューカツがいよいよ始まるのだ。これからの一年で一生の仕事を決めなければいけない。何とか希望する企業に潜りこまなければならないのだ。不安とあせりで胸のなかはいっぱいだった。受験勉強とは違って、シューカツに正解はない。どんなにがんばって準備しても、十分ということはなかった。単純な学力だけでなく、コミュニケーション力とか人間力とか、自分ではどうにも判断のできない要素が無数にからんでくる。(P8、9)

物語の冒頭部分にもこのように書かれているように、若者にとって最大にして最難関の人生の選択ですし、何十社も試験を受け、何十回も落第する、ある意味異常な状況が物語として面白くないわけがありません。

 

 

就活を疑似体験

物語は大学三年生7人が「シューカツプロジェクトチーム」を結成するところから物語り始まります。インターンやエントリシートの制作、OB訪問、本番の面接といった順に実際の就職活動の様子がそのまま物語になっているので、就活の流れや雰囲気を感じることができました。私も大学生のときに就活をしたのですが、友達とお互いに性格分析したり、飲み会で愚痴を言い合ったこと思い出しました。

 

また、就職活動を通して主人公が働く意義を考えたりすることで成長していく様子が見て取れるので、青春成長物語としても楽しめます。

 

 

『何者』との対比

『何者』を読んだことでこの作品も手にとって見ようと思ったので、読んでいて終始『何者』と比べながら読んでしまいました。『シューカツ』は明るく爽やかな仕上がりで、主人公はじめ仲間たちはみんないい奴ばかりです。活動自体も紆余曲折はありますがかなり都合よく進んでいるので、就活の闇の部分というか生々しさはあまり感じられなかったのは残念です。就活をしてからまだ余り時間のたっていない朝井リョウさんの『何者』とだいぶ年齢が上の石田衣良さんの温度差もあると思います。

 

ただ、それが悪いことともいいきれず、むしろ私は『何者』でだいぶ打ちのめされたので爽やかな就活物を求めていたので期待通りの作品でした。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

爽やかな就活物語という期待通りの作品で十分に楽しめましたが、『何者』のインパクトは超えられなかったのでおすすめ度は残念ながら星四つです。

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