おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『氷菓』 米澤穂信 人気アニメの原作

   

書評的な読書感想文261

『氷菓』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

米澤穂信(作家別索引

角川文庫 2001年11月

ミステリー 青春(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

高校を舞台にした日常ミステリー。部活の雰囲気が楽しげで、少し易しめの学校ならではの謎は解く愉しみを味わえます。また、過去の因縁が絡むほろ苦い謎は、ほどよい読み応えがあります。中高生の時に出会いたかった作品。

 

 

あらすじ

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実――。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ、〈古典部〉シリーズ開幕!記念碑的デビュー作!!(作品紹介より)

 

 

2017年に映画が公開される古典部シリーズ第一弾

アニメ化され人気を博した古典部シリーズの第一弾。2017年には実写映画かも控えているそうです。もともとはこの作品2001年にライトノベルのレーベルから出版され、後に角川文庫から出版されたことからも分かるように、比較的若年層向けの作品です。

 

物語は高校の古典部を舞台に繰り広げられ、「いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。(作品紹介より)」と高校ならではの日常ミステリーが楽しめます。あまりきちんと活動しているか怪しい部活ですが、放課後に仲間と集まる楽しげな雰囲気が伝わってきます。また、取り上げているミステリーは比較的易しめで、学校ならではトリックが使われていて、あまりミステリーで謎解きをしない私でも謎を解く楽しみを味わえました。

 

確かに、中高生の頃に出会えていたら今と違った読み方ができて今以上に楽しめたとは思いますが、大人になって読んでも学生時代を懐かしみつつ、楽しんで読めました。

 

 

ほろ苦い青春ミステリ

と、文庫本の裏表紙の作品紹介に書かれているように、ただの青春ミステリーではなくちょっと苦い部分も含んでいます。物語の前半は学校を舞台にしたなんてことのない日常ミステリーなのですが、後半でタイトルにもなっている『氷菓』と題された古典部の文集にまつわる33年前の秘密に迫ります。

 

この33年前の秘密の真相は読んで確かめて欲しいのですが、いろいろなアプローチで過去に迫る手法で程よい読み応えを与え、苦味のある結末が単なる青春物ではない印象的な読後感を与えてくれます。また、部活の文集としては違和感のある『氷菓』というタイトルの真相も秀逸かなって思います。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

アニメで人気になったのは伊達じゃないというか、単に女の子がカワイイといった理由以外にちゃんと見ごたえのある内容だったんだろうなということが、原作のこの小説を読んで分かりました。個人的には「きっと十年後、この毎日のことを惜しまない。(P89)」という言葉が印象に残りました。私は二十年後惜しみまくっているので。

 

ただ、このシリーズ続編が何冊か出ているのですが、今現在読みたい本を押しのけてまで読むかというとちょっと微妙なので(結局読むかもしれませんが)、おすすめ度は星三つです。

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