おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『恋恋蓮歩の演習』 森博嗣 紫子さんがんばれ

   

書評的な読書感想文259

『恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

森博嗣(作家別索引

講談社文庫 2004年7月

ミステリー サスペンス(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

前作同様、保呂草が活躍。また、紫子にもスポットが。内容的にはいくつかの話が同時進行しますが、今作のタイトルにも関係する、色々な人物のロマンスが一番の見所か。シリーズのファンなら楽しめる作品。

 

 

あらすじ

世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草と紫子、無賃乗船した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作。(作品紹介より)

 

 

Vシリーズ第六弾

瀬在丸紅子を主人公とした、いつもの四人組が活躍する「Vシリーズ」の第六弾で、『黒猫の三角』『人形式モナリザ』『月は幽咽のデバイス』『夢・出逢い・魔性』『魔剣天翔』の続編です。この巻から読んでも楽しめるのですが、前作とつながりがかなり強いので最低でも前作の『魔剣天翔』は最低でも読んでおくべき。

 

ただ、色々人間関係やキャラの個性が分かっていたほうが楽しめるので最初か読むことをおすすめします。

 

 

タイトルの意味

「恋恋(れんれん)」とは、〈思い切れず執着する〉という意味。恋愛的なことにも、それ以外のことにも使えるようです。「蓮歩(れんぽ)」とは、〈美人のあでやかな歩み〉のことです。とりあえず読み方からして謎でした。

 

「恋恋蓮歩の演習(れんれんれんぽのえんしゅう)」。なかなかリズミカルで印象的なタイトルですが、辞書を引いてもちょっと意味が分かりませんね。ただ、本文を読み終える頃にはなんとなくこのタイトルがついた意味が分かると思うので、そのあたりも考えながら読むと楽しめるかもしれません。

 

 

保呂草&紫子

今回スポットが当たるのは前回に引き続いての保呂草と珍しく紫子です。保呂草は前作の因縁を踏まえつつ、相変わらず怪しげな仕事をいています。そんな保呂草の仕事を手伝いつつも接近を試みる紫子とのやり取りも見所ではないでしょうか。個人的にはちょっとあやうい感じの紫子に対して紅子が母親的な顔を見せているのも面白いです。

 

これ以外にも、今作の主役キャラである女性のロマンスも同時進行で描かれていて、そちらもなかなか楽しめます。本筋のトリックは後半にならないと出てきませんが、前半の色々な人物の恋愛事情も十分楽しめました。今作のタイトルはもちろん本筋のトリックに絡んで付けられていますが、この前半部分の意味もこめられてるのかなと思います。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

本筋のトリックはなかなか出てきません。その上ちょっと突っ込みどころが多いのかなと思います。無理があるというか、合理的でないような。

 

ただ、トリック以外のストーリーは楽しめました。ここまでこのシリーズ読んできて各キャラに対しいろいろイメージや思い入れができていますが、今回の物語では結構レギュラーキャラクターの内面にも踏み込んでいて、意外だったり納得できたりと楽しめました。シリーズのファンにはおすすめってことで星三つです。

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