おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ビブリア古書堂の事件手帖7』 三上延 ついに完結

   

書評的な読書感想文258

『ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

三上延(作家別索引

メディアワークス文庫 2017年2月

ミステリー ラノベ(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

待望の最終巻。最終巻にふさわしい題材、舞台で、ドキドキしながら読めました。シリーズ全体のテーマが解決されているし、ラストの親子の対決シーンも納得と満足できる結末でした。あと栞子さんが超絶かわいい。

 

 

あらすじ

ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく――。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった……。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。(作品紹介より)

 

 

ビブリアシリーズ第七弾にして最終巻

毎度おなじみ「今好きな作家で打線を組んでみた」で投手陣の先発にいる三上延さんの作品。以前紹介した『ビブリア古書堂の事件手帖』、『ビブリア古書堂の事件手帖2』、『ビブリア古書堂の事件手帖3』、『ビブリア古書堂の事件手帖4』、『ビブリア古書堂の事件手帖5』『ビブリア古書堂の事件手帖6』の続編です。いきなりこの巻から読んでも分からないことが多いので、シリーズを順番に読むのをおすすめします。

 

長かったシリーズもついに完結です。本を手にしたときに、早く読みたい気持ちはあるのですが、これを読んでしまうと最後だと思うとちょっと本を開くのがもったいない気もしました。まあ、割とすぐに読み始めましたが。

 

このシリーズの大きなテーマというかポイントは三つあると思います。一つ目は栞子と母親の関係。もうひとつは栞子と五浦の関係(これに関しては前回でほぼ解決か)。最後が母親が捜し求めている本の招待。当然ながら今作で解決されるのを期待して読み進めました。

 

 

テーマはシェイクスピア

前作の紹介で、栞子の母親が追いかけているのは『聖書』ではないかと予想しましたが、残念ながらはずれです。本の裏側の作品紹介に書いてあるように、テーマはシェイクスピアです。これ以上はネタバレになるので書きませんが、最終巻を飾るにふさわしいテーマだと思いました。一巻に登場した志田のいう、栞子の母が探す

「正気じゃ手に入らねえような、とんでもねえ古書」(P156)

とは何かは、読んで確かめて欲しいです。

 

 

母との対決

物語のクライマックスはもちろん母親との対決です(ただ、よくよく考えると共闘ともいえそうですが)。シリーズのラストにふさわしい舞台設定と謎があって、最後までハラハラドキドキしながら読めました。

 

ただ、ちょっと気になったのはラストでの母親の行動と、今作でキーになる人物のやや中途半端な行動です。それぞれそのキャラクターの性格と矛盾した行動のように思えましたが、その矛盾がそのキャラの隠れた内面をあらわしていて、ラストをより印象的にしました。

 

個人的には、とても満足ですし、納得のいくラストになっています。

 

 

栞子さんが超絶かわいい

栞子と五浦の関係について語るのは野暮でしょう。なので?栞子さんが超絶かわいいシーンを引用してしまいます。

カウンターの奥のスペースにこもっている栞子を五浦が覗いているシーンで

顎をカウンターに載せたまま、ゆっくりと頭を左右に振り始める。

「困ったなー……困ったなー……」

節を付けて小声で歌っていた。この人の鼻歌を耳にしたことはあったが、歌詞までついている歌は初めてだった。柔らかくてきれいな声だ。俺より年上なのに可愛い。とにかく可愛い。ちなみに俺はこの人と二ヶ月前から付き合っている。

「今月もー、赤字かもー、来月もー、ひょっとしてー、ふんふふーん」

ただ音程は微妙だ。そしてなんだか歌詞が暗い。

「どうしようー、大輔くんの、お給料……」(P17,18)

俺史上最高の栞子さんです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

待った甲斐がある作品で、長編シリーズを読み終わった後の幸福感をしっかり味わえました。ただ、栞子の妹の文香のことや、ほぼレギュラーキャラの志田のことなど、微妙に回収されていたい事柄もあるように思えます。あとがきに後日談やスピンオフの作品を出すと書かれていたので、そこに期待する意味で控えめの星四つです。

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