おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ランチのアッコちゃん』 柚木麻子 ビタミン小説

   

書評的な読書感想文255

『ランチのアッコちゃん』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

柚木麻子(作家別索引

双葉文庫 2015年2月

料理 お仕事(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

悩みを抱える主人公が前向きなる短編四編。人との出会いや普段と違うことをしてみたおかげで主人公の気持ちが前向きになるのが見て取れるので、読んでいる側も前向きになれます。気軽に読めてほっこりする作品です。

 

 

あらすじ

地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!(作品紹介より)

 

 

前向きになる四編

今回の作品は、四つの短編が収録されています。表題作の『ランチのアッコちゃん』と『夜食のアッコちゃん』は派遣社員・三智子と45才のキャリアウーマン・アッコさんが主な登場人物。アッコさんに振り回されながらも三智子が新しい出会いや体験をすることで、少しずつ前向きになる物語です。

 

他の二編もそれぞ私生活や仕事に行き詰まった主人公が、ふとしたきっかけで視野が広がり前向きなる物語です。どの話も読みやすい文章で、特に複雑な筋書きあるわけでもなく、気軽に読めてほっこりする物語です。

 

アッコちゃんシリーズ

営業部唯一の女子正社員である、アッコ女史こと黒川部長は四十五歳の独身だ。がっちりとした肩幅に身長百七十三センチ、つやつやの黒いおかっぱ頭が、某大物歌手を思わせることと、下の名前が「敦子」であるこから、このあだ名がついた。(P10)

なかなかインパクトのあるアッコさんですが、社長にも一目置かれるキャリアウーマンです。表題作では、そんなアッコさんと派遣社員の三智子がひょんなきっかけでランチを交換することに。三智子のお弁当をアッコさんが食べ、三智子はアッコさんに指定されたお店にランチに行くことに。

 

三智子がアッコさんに指定されたお店に行ってみると、美味しいご飯だけではなく新しい出会いや新しい体験が待っています「このまま社に戻らなくても、誰も心配してくれないんじゃないだろうか。」(P11)なんていっていた三智子がいつのまにか

金曜日。取り替えランチの最終日だ。今日が終われば、アッコ女史と三智子の秘密のつながりは消えてしまう。空っぽの、侘しい日々が戻ってくるかもしれない。

(ううん。大丈夫。たくさん得たものがあるんだもの) (P46)

なんて考えるようになっています。

 

 

『ゆとりのビアガーデン)

個人的に気に入った作品は、『ゆとりのビアガーデン』。いわゆるブラック企業の社長・豊田とそこに入社してすぐにやめてしまった天真爛漫だけど全く仕事ができない女の子・玲実の物語。玲実は仕事をやめてから1年後、そのブラック企業があるビルの屋上でビアガーデンを始めます。初めは目障りでしかなかったビアガーデンでしたが、いつのまにか社員たちが楽しそうにビアガーデンに通うようになります。

 

社長として行き詰っている豊田が、毛嫌いしていた「ゆとり」の典型ともいえる玲実によって目を開かされる場面が印象的です。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

「アッコちゃん」シリーズは続編があるようです。つっけんどんだけど実はやさしいアッコちゃんのキャラが良いので続きも見たい気もしますが、読みたい作品がたくさんありすぎるので、それを押しのけてまで読みたいかというと微妙なところです。気が向いたら続編も見るって事で、おすすめ度は星三つです。

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