おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『鉄道員(ぽっぽや)』 浅田次郎 高倉健さんで映画化

   

書評的な読書感想文236

『鉄道員(ぽっぽや)』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

浅田次郎(作家別索引

集英社文庫 2000年3月

人間ドラマ ファンタジー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

奇蹟をテーマにした短編集。死者が現世に現れて生きている人を優しく救うパターンの作品が特に良いです。ちょっとあざといかなと感じなくもないですが、斜に構えず素直に感動したり、泣ける人にはおすすめです。

 

 

あらすじ

娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた……。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラー作品集にあらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。(作品紹介より)

 

 

奇跡をテーマにした直木賞受賞作品の短編集

文庫本の作者のあとがきに

単行本には通例、その内容を一言で象徴するようなキャッチ・コピーが用意される。本著の初版に巻かれたオビには、こういう言葉が添えられていた。

あなたに起こる やさしい奇蹟。

「奇蹟」をモチーフとした短編を蒐めました、というほどの意味である。

いくぶん気愧ずかしいけれども、いい文句だなと私は得心した。八つの物語を読みながら、読者の心に小さな奇蹟が起こってくれるなら幸いである、と思った。(P289)

と書いてあるように、奇蹟がテーマの八つの物語からなる短編集です。

 

個人的には、死者が現世に現れ、生きている人に優しい奇蹟を起こすパターンの物語が良かったです。

 

 

「鉄道員(ぽっぽや)」

この作品集の表題作で、高倉健さん主演で映画にもなった作品。広末涼子さんが出演していて、私は大ファンなのでだいぶ昔に映画も見ました。高倉健さんと小林稔侍さんの演技が印象的でした。

 

物語は、廃線間近のローカル線の終点駅の、定年寸前の駅長の下に一人の少女が現れるところから始まります。近所の住職の孫娘と思っていた少女の正体は意外なものだったというお話。

 

不器用だけど鉄道一筋に生きてきた定年寸前の鉄道員に起きた奇蹟は、感動的です。本筋は一緒なのに小説と映画では印象が違うところもあって、どちらも良いので両方見比べるのをおすすめです。

 

 

「角筈にて」

とある商社勤める主人公の貫井恭一46歳は、プロジェクトの失敗の責任を取らされ、リオデジャネイロ支店に左遷されることに。その壮行会の二次会の後、新宿、角筈で見かけた男性は、数十年前に貫井を捨てて女と駆け落ちした時の父親だった。

 

主人公が左遷をきっかけに自分の人生を振り返り、自分を捨てた父親に対する思いや、幼馴染で喧嘩一つしてこなかった妻との関係を見直す物語。

 

私はこの作品が八つの短編のなかで一番気に入りました。ラストシーンで再び現れた父親の幻影と主人公の会話は感動的で、主人公が子供のころに戻ってしまうのがとても印象的です。その後、色々なものを振り切った主人公と妻との会話がまた素敵です。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

上の二編以外にも、上質な感動をくれる作品がいくつもありました。正直、泣かせにきてるかなとも思えてしまうので、あまり斜に構えず、素直に感動したり、泣けたりできる人にはおすすめってことで星三つです。

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