おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『爆撃聖徳太子』 町井登志夫 主役は小野妹子

   

書評的な読書感想文235

『爆撃聖徳太子』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

町井登志夫(作家別索引

PHP文芸文庫 2012年8月

時代 SF(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

はちゃめちゃな歴史SFと思いきや、当時の勢力図や籠城戦の描写などリアルに書かれています。その上で聖徳太子のキャラが奇天烈だったり、太子伝説を取り込んでいて、無茶苦茶だけど楽しく読めました。

 

 

あらすじ

隣国を次々に従え、世界帝国への道をひた走る隋帝国。その矛先は琉球、そして朝鮮半島へと向けられた。倭国に攻めてくるのも時間の問題……。この危機に敢然と立ち上がったのが厩戸皇子、のちの聖徳太子である。遣隋使となった小野妹子をはじめ、周囲の人びとを巻き込んだ彼の戦いの行く末は!?聖徳太子をめぐる数々の謎を解き明かしながら、東アジアを舞台に壮大なスケールで描かれる古代史小説。(作品紹介より)

 

 

主人公は小野妹子

物語の主人公は小野妹子、時代は聖徳太子や蘇我馬子が活躍した飛鳥時代のお話です。当時、アジア全域に勢力を伸ばそうといていた今の中国にある国・隋と琉球や朝鮮半島において聖徳太子と共に戦い、隋の日本進出を阻むという物語。

 

歴史の授業などでもおなじみの遣隋使や当時のアジア情勢などは史実を基に描かれています。また、小野妹子が参加した籠城戦の物量に頼った力押しな城攻めの様子や籠城側の凄惨な描写はリアリティがあっていい加減な歴史SFではない背景のしっかりした物語になっています。

 

 

奇天烈な聖徳太子と太子伝説

史実やリアリティをしっかり取り込んだ物語ではありますが、この話の見所はなんと言ってもアジアをまたに駆けて活躍する聖徳太子といえます。この物語の聖徳太子は、日本に影武者をおいてアジアで縦横無尽に活躍する設定で、なおかつ

聡明すぎて常軌を逸している、とでもいうのであろうか。そこまで言わなくても、どこかおかしい、何か変だ。(P49)

なんていわれるかなり奇天烈なキャラクターです。至極常識人として描かれる小野妹子は振り回されてばかりです。

 

そんな聖徳太子ですが、現代にはいくつか伝説めいた逸話が残されています。有名な十人の話を同時に聞けることや、馬小屋で生まれた話、さらには黒い馬に乗って空を飛んだなんて話まで残っています。物語はそんな聖徳太子伝説を取り込んでいて、ストーリーやキャラクター設定に反映しています。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

正直あまり興味のない飛鳥時代の物語ですが、史実とフィクションの融合し、聖徳太子伝説を取り込んだ物語は勢いと迫力があって最後まで楽しく読めました。ただ、ちょっと聖徳太子のキャラが奇天烈すぎるのでおすすめ度は星三つです。

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