おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『オレたち花のバブル組』 池井戸潤 二作で半沢直樹の原作

   

書評的な読書感想文233

『オレたち花のバブル組』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

池井戸潤(作家別索引

文春文庫 2010年12月

お仕事 経済(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

半沢は相変わらずスカッとさせてくれるし、例のセリフも出てきますが、半沢のような強気一辺倒ではない準主役が活躍することで、前回にない深みが物語に生まれています。準主役のラストの決断が印象的です。

 

 

あらすじ

「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し付けられた、東京中央銀行の半沢直樹。銀行内部の見えざる敵の暗躍、金融庁の「最強のボスキャラ」との対決、出向先での執拗ないじめ。四面楚歌の状況で、絶対に負けられない男達の一発逆転はあるのか。(作品紹介より)

 

 

「半沢直樹」シリーズ第二弾

以前紹介した『オレたちバブル入行組』の続編で、「半沢直樹」シリーズの第二弾です。また、ドラマ『半沢直樹』は前作と今作の二つが原作として採用されています。

 

今作では前作では言わなかった例のセリフも言っています。

 

 

サイドストーリーが秀逸

前作同様、悪役がしっかり悪役していてカタルシスがありますし、ホテルの債権問題などを取り上げてはいますが、小難しいことは一切ありません。前作のよさはしっかり踏襲されていると思います。

 

その上で今作では、サイドストーリーが秀逸だと思います。苛烈なノルマのために精神を病み、一年間休職したがために出世街道から外れてしまった半沢の同期、近藤が準主役としてサイドストーリーを展開します。近藤はある会社に出向しているのですが、その出向先でいじめにあっています。はじめは精神の病の再発に不安を感じながら、鬱々とした気持ちで仕事をこなしますが、あるきっかけで徐々に前向きになり、その会社の不正を暴くべく戦います。

 

半沢の行動は確かにスカッとしますが、決してまねができない、ファンタジーが入った存在です。一方、近藤はかなり身近に感じることのできるキャラクターです。ひよったり、後ろ向きになったりもする近藤が、徐々に前向きに再生する様子は、読んでいて共感できるし、応援したくなりました。

 

半沢だけでは前作の焼き直しで終わったしまっていたと思いますが、近藤のサイドストーリーがあるおかげで、物語に深みとリアリティーが出ました。

 

 

印象的なラスト

物語は、半沢の本筋と、近藤のサイドストーリーが絡み合い、さらにはなかなか強烈な新たな敵キャラも出てきて話は一気に盛り上がります。その後、半沢側の話は相変わらずスカッとした結末が待っているのですが、近藤の話の結末が印象的です。ネタバレになるので詳しくはかけませんが、私はこちらのほうがむしろ共感できました。

 

上でも書きましたが、半沢だけの話だとおとぎ話のようにリアリティーのない話になってしまったと思います。ただ、近藤の話があることで現実と半沢の世界がうまく結び付けられていました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

前作のスカッとできる展開も面白いのですが、今作のようにリアリティーと深みのある展開も同じように楽しめました。前作の良いところも踏襲しつつ、新たな読み味も楽しめるってことで、おすすめ度は星四つです。

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