おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『下妻物語』 嶽本野ばら 配役が完璧

   

書評的な読書感想文230

『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

嶽本野ばら(作家別索引

小学館文庫 2004年4月

友情 コメディ(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

ロリータとヤンキーの組み合わせが全てと言ってしまえばそれまでですが、とにかく愉快で痛快な作品。主人公二人が自立していて、ベタベタした友情ではないのが気持ちが良いです。映画の配役がドはまりしてます。

 

 

あらすじ

四方八方田んばだらけの茨城県下妻。そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて……。ギャグぶっちぎり!思いっきり笑ってほんのり泣ける爆走青春ストーリー。刺激的でエンターテイメント・センスがたっぷりなコマーシャルで知られるディレクター・中島哲也氏が惚れ込み、自ら監督を名乗り出た素敵な映画化原作。(作品紹介より)

 

 

深田恭子さんと土屋アンナさんで映画化

茨城県の片田舎、下妻でロリータファッションの女子高生と時代遅れのヤンキー女子高生の友情物語。深田恭子さんと土屋アンナさんで映画化されています。映画は見たことないのですが主人公二人の配役がとにかくドはまりしていてイメージにぴったりです。読んでいて、深田さんと土屋さんで脳内再生されました。

 

ちょっと古い映画ですが見てみたいと思います。

 

 

組み合わせの妙

この物語の何よりのポイントはロリータ少女とヤンキー少女の組み合わせの妙だと思います。

 

ロリータとはファッションだけでなくロココな精神に身をささげたものだと作中で言われています。そしてロココとは

道徳や真実よりも、優雅や甘ったるい感情、空想癖などを尊重し、これからどうなるか解らぬ人生に意味を与えることより刹那の恋に溺れ、理論や習慣も無視して自分が今、確かに体験している享楽にしか価値を与えない(P10)

精神ことです。ロリータな主人公はヒラヒラの服に身を包み、ロココの精神で駅までどんなに遠くても似合わないという理由で自転車には乗らず、お金がほしくても決してバイトもしないちょっと変わった女の子です。

 

もう一方のヤンキー主人公は盛り盛った改造原付バイクにのったちょっと行き過ぎた時代遅れのヤンキーです。正反対の個性を持った二人の主人公を組み合わせた時点でこの物語が面白いことは決まったようなものなのかなって思います。

 

 

絶妙なコメディとさっぱりした友情

物語にはコメディタッチの描写も多く見られます。行き過ぎたヤンキーの主人公や、ロリータ精神を貫きすぎて滑稽に見えるもう一人の主人公などが絶妙なコメディタッチで描かれています。ロリータやヤンキーなど私個人的にはまったく接点のない世界ですが、楽しく飽きずに読むことができました。

 

もう一つ、最後まで気持ちよく読めた要因として、二人の友情がさっぱりしてることが挙げられます。

それぞれ、棲む世界が違う、お互いのテリトリーをバカにしながらも侵さないことで、私とイチゴはおかしな友情関係を保ってきたのです。(P282)

と本文にもありますがこの「バカにしながらも侵さない」距離感が読んでいて気持ちよく、ラストの感動にもつながっています。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

ロリータとヤンキーという、普通に生きていたらなかなか接点をもてない二つの世界を融合させた上に、コメディタッチで楽しく、しかもちょっと感動的でもある今回の物語。サブタイトルとかで毛嫌いしないで読んでほしいかなってことで、おすすめ度は星四つです。

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