おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『神去なあなあ日常』 三浦しをん 映画『WOOD JOB!』原作

   

書評的な読書感想文229

『神去なあなあ日常』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

三浦しをん(作家別索引

徳間文庫 2012年9月

お仕事 青春(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントをほぼ百文字で

林業を舞台にしたお仕事系エンタメ小説。林業あるあるや主人公が成長して林業にはまる描写も楽しいのですが、個性的なキャラとゆるくて不思議な森林信仰の描写が見所です。続編は必ず読むし、映画も気になります。

 

 

あらすじ

平野勇気、18歳。高校を出たらフリーターで食っていこうと思っていた。でも、なぜだか三重県の林業の現場に放りこまれてしまい――。携帯も通じない山奥!ダニやヒルの襲来!勇気は無事、一人前になれるのか……?四季のうつくしい神去村で、勇気と個性的な村人たちが繰り広げる騒動記!林業エンタテインメント小説の傑作。(作品紹介より)

 

 

林業系お仕事小説

毎度同じみ「好きな作家で打線を組んでみた。」六番に入っている三浦しをんさんの作品。

 

物語は今どきの高校生がわけもわからず林業の世界に放り込まれるところから始まります。携帯も通じない田舎で住み込みでいやいや働かされ、ダニやヒルにかまれ、花粉症に苦しみながらも仕事を覚えます。田舎の村なので排他的な住民にちょっと悩まされたりもしますが、最終的には主人公がみんなに認められ、林業が好きになっているというありがちなお仕事小説です。

 

ストーリーはありがちですが林業というあまり取り上げられない業種をうまく料理してあるので、読み終わるころにはかなり林業に興味を持っていました。

 

 

個性的なキャラクターとアニミズム

三浦しをんさんの作品の特徴の一つにキャラクターが個性的であることが上げられると思うのですが、今作でもその特徴がしっかり出ています。気の強いヒロイン、山仕事の天才でちょっと強引な教育係やボケているようで時々鋭いことを言う村の長老的なおばあちゃんなどなかなかな強力なラインナップが物語を彩ります。

 

そんな個性的なキャラクターと林業という題材だけで十分面白いのですが、そこにアニミズムというか森林信仰の描写が物語に深みを与えます。主人公の住む神去村では山には神様が住むと考えられており、恐れられながらも敬われていています。住人たちのちょっとゆるいけど不思議な信仰の描写は妙なリアリティーがあるし、ジブリ映画にでも出てきそうな不思議な出来事が起きたりもします。今の日本にもまだこういった不思議な出来事や信仰は残っているんだろうなと思えました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

さすが三浦さんだけあって林業というマニアックな題材を面白く、そして興味深い小説に仕上げています。林業あるあるだけでなく、森林信仰なども描かれていることで返って物語にリアリティーが生まれています。かなり面白く読めたので、続編も必ず読みたいと思いました。

 

ただ、難点を挙げるとすれば、林業という私にとってはなじみのない題材なのか、ちょっと映像が浮かびにくいシーンがありました。そのあたりは、この物語を原作にした映画『WOOD JOB』をみて補いたいかなと思いますが、おすすめ度はその分ちょっと低めで星三つです。

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