おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『影武者徳川家康』 隆慶一郎 家康は関が原で殺されていた

   

書評的な読書感想文219

『影武者徳川家康 上・中・下』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

隆慶一郎(作家別索引

新潮文庫 1993年8月 2008年11月改定

時代 バトル(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

家康は関ヶ原で死んでいたというアイディアから発展する、豊臣方との共闘や秀忠との確執など裏日本史的な話が面白い。また、風魔と柳生の忍者対決は迫力満点です。ただ、史実に縛られて先が読めてしまうのが残念。

 

 

あらすじ

慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された!家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。しかし、この影武者、只者ではなかった。かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ……。(作品紹介より)

 

 

家康は入れ替わっていた

今好きな作家で打線を組んでみた」で八番に入っている隆慶一郎さんの作品。戦国時代~江戸時代初期までを舞台にする作品が多い隆慶一郎さん、今回の主人公は徳川家康です。ただ、タイトルからもわかるように家康の影武者が主人公です。家康が関が原の合戦の最中に豊臣方の刺客に殺されるところから物語は始まり、その後の家康の影武者、世良田二郎三郎の苦闘の半生が描かれています。

 

家康が入れ替わっていたというワンアイディアから物語はとんでもなく広がりを見せます。本筋は、家康の影武者を操り豊臣家を滅ぼした上で、影武者を始末したい徳川秀忠と家康のふりをした主人公の世良田二郎三郎の暗闘がメインです。

 

関が原直後は徳川、豊臣どちらの味方ともいえない大名が多くいたので家康が死んだことは絶対に公表できません。家康が死んだとわかれば一気に豊臣側につく大名が増えるからです。そのため、秀忠は影武者の二郎三郎を利用するだけ利用して豊臣家を滅ぼし、その後二郎三郎も始末しようと考えます。

 

一方で利用されるだけ利用されて殺されるのは真っ平ごめんな二郎三郎は、豊臣方の軍師を味方につけ、何とか豊臣家が滅ぼされないように画策します。ここに同じ徳川家なのに豊臣家を救おうとする側と滅ぼそうとする側に分かれた、裏日本史的戦いが勃発します。

 

 

 

忍者合戦

家康と秀忠が表立って合戦をするわけにはいかないので、家康は風魔、秀忠は柳生の忍者の手を借りて戦います。忍者同士の戦いは迫力がありますし、秀忠や柳生がかなり残虐に描かれているので、主人公側が勝利したときの爽快感はなかなかのものです。

 

ただ、物語はどうしても史実に縛られてしまうので、歴史を知っていると先が読めてしまうこともあったのでちょっと残念でした。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

実際の史実にある関が原以降の家康の行動の不自然さや、関が原の合戦に参加できないという大失態を犯したにもかかわらず秀忠が二代目将軍になれた理由などが、家康が影武者だったから、ということで物語の中でうまく説明されています。

 

また、影武者の主人公は豊臣家を助け、秀忠に対抗するために駿河に自由の国を作ろうとしていたなんて設定もロマンあるれていて楽しめました。ただ、上にも書いたように史実に縛られ結果が見えてしまうのが残念てことで、控えめの星三つです。

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