おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『たぶんねこ』 畠中恵 ちょっと大人になりました

   

書評的な読書感想文214

『たぶんねこ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

畠中恵(作家別索引

新潮文庫 2015年12月

時代 ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

安定の面白さ。若だんなが両国で仕事を探しお金を稼ぐ話では、無理して頑張ってしまう若だんながいじらしく思えました。また、「まんまこと」のキャラが出てくるのも嬉しい演出です。畠中ファンならきっと楽しめます。

 

 

あらすじ

若だんな、そんなに頑張ってだいじょうぶ?両国を仕切る親分の提案で、大店の跡取り息子三人が盛り場での稼ぎを競うことに。体の弱い一太郎は、果たして仕事を見つけられるのか。妖と恋人たちが入り乱れるお見合い騒動、記憶喪失になった仁吉、生きがい(?)を求めて悩む幽霊……兄やたちの心配をよそに、若だんなは今日もみんなのために大忙し。成長まぶしいシリーズ第12弾。(作品紹介より)

 

 

『しゃばけ』シリーズ第12弾

以前紹介した『しゃばけ』シリーズの第12弾です。シリーズのどこから読んでも楽しめるようになっているので、この巻から読んでもまったく問題ありません。ただ、できることならシリーズを順番に読むと、主人公の一太郎と妖怪との関係がよりはっきり分かって良いでしょう。

 

『しゃばけ』の紹介をしたときには安楽椅子探偵みたいなんてことを書きましたが、今回の一太郎はだいぶアグレッシブに出歩いています。もちろんデフォルトで体調を崩しますが、なんだかちょっと大人になったようです。

 

 

「跡取り三人」

今作もいままでと同様、連作短編集の形式です。どの話も安定して面白いのですが、私が一番気に入ったのは「跡取り三人」。ひょんなきっかけで、両国の盛り場で自力で仕事を見つけ、お金を稼がないといけないことに。もちろん兄やたちの助けは抜きで。力仕事は身体が弱いのでもってのほかですが、一太郎にできそうな仕事はなかなか見つかりません。そして、なんとかありついた仕事は、、、というお話。

 

一太郎がお金を稼ぐ苦労や喜びを知って、体調が悪くなりかけているのも構わず無理してがんばっている姿がなんだかいじらしくて、ちょっとグッとくるものがありました。

最初に手にした四文銭はお守り袋に入れ、今も大切に持っている。初めて自分自身で見つけた仕事は楽しかった。もっと稼いでみたかった。(P52)

なんだか、少し大人になったようです。

 

 

飽きさせない工夫。「まんまこと」とのコラボ

シリーズ作品を12巻も読んでいるのにまったく飽きないのは、毎回何らかの工夫がされているからだと思います。SFチックな話だったり、長編だったり。今回の工夫は「まんまこと」シリーズとのコラボです。シリーズのある人物がある章のキーパーソンになっています。

 

畠中ファンにはちょっとうれしい演出かなって思います。いつか一太郎と麻之助が両方出てくる話が読んでみたいです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今作は一太郎が自力でお金を稼いだり、町中を歩き回る話があったりといつもよりアクティブです。また、お見合いの話がチラホラ出てきたりと、ちょっと成長を感じさせる話にもなってます。

 

ファンなら安心して楽しめるって事で、おすすめ度は星三つです。

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