おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『京都寺町三条のホームズ2』 望月麻衣 祝京都本大賞受賞

   

書評的な読書感想文212

『京都寺町三条のホームズ2 真贋事件簿』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

望月麻衣(作家別索引

双葉文庫 2015年8月

ラノベ ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

前作より面白くなってます。ライバルキャラの贋作師が登場し物語に芯が通り、京都の名所の紹介もたっぷりあるのも嬉しいです。シリーズの方向性が決まって、次回作以降も読むのが楽しみになってきました。

 

 

あらすじ

京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた、女子高生の真城葵。店主の孫・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと“いけずな”京男子。ある日、一見の客が『蔵』を訪れ、清貴は骨董の茶碗の鑑定を頼まれる。それが贋作だとあっさり見抜いた清貴だったが、後日、清貴と葵の前に円生と名乗る若い僧侶が現れる。円生は、稀代の贋作師だった―大ヒットキャラミスの第二弾!(作品紹介より)

 

 

『京都寺町三条のホームズ』シリーズ第二弾

以前紹介した『京都寺町三条のホームズ』の続編です。続編なので、前作のエピソードを引き継いでいる部分もなくはないのですが、登場人物の説明等もされているのでこの巻から読んでも問題なく楽しめるでしょう。

 

因みにこのシリーズの一作目は先日発表された第四回京都本大賞を受賞しました。京都本大賞とは京都を舞台にした作品の中から書店員や読者の投票で最も地元の人に読んでもらいたい作品を選ぶ賞です。第一回の大賞は『珈琲店タレーランの事件簿』が選ばれています。

 

 

ライバル登場

今回のメインテーマはサブタイトルからも分かりますが贋作です。贋作に関して作中で興味深い言葉が書かれているの紹介します。

――われわれはみな、見抜かれてしまうできの悪い贋作についてしか語れないことを知っておくべきだろう。

できの良い贋作はいまなお、壁に掛かっているのだから。  デオドール・ルソー   (P235)

 

今作では、主人公のホームズのライバルとして贋作師が登場します。前回同様の骨董品のうんちくだけだとマンネリしかねませんでしたが、精巧な贋作を見抜けるか、ホームズと贋作師の対決はなかなか手に汗握る展開になっています。このライバルの贋作師は次回以降も出てくるようなので、今後の展開が楽しみです。

 

 

京都感は前作以上

前作でも真っ向から京都を(観光地的な意味で)取り上げていましたが、今回も前作以上にがっつり取り上げています。今回紹介されているのは、哲学の道と銀閣寺、岡崎地区と南禅寺、東福寺、鈴虫寺、源光庵などです。

 

私は東福寺以外は言ったことがあるのですが、この本を読んで行ったことのある南禅寺や源光庵にもう一度行きたいと思わされてしまいました。まして、行ったことのない東福寺は次回京都に言った際に是非とも行ってみたいと思います。

 

今作からは作中作ならぬ、作中テレビ番組が始まりました。主人公のホームズの友人で前作にも出てきた秋人がレポーターになり京都の名所を紹介する番組なのですが、秋人がホームズを頼んで事前に番組で取り上げる名所を下見することになって、かなり詳しくその名所を紹介してくれるので京都好きとしてはかなり楽しめました。

 

ライバルの贋作師の話とともに、この設定も次回作以降も残りそうなので、次はどこを取り上げてくれるのかいまから楽しみです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

前作に続きもうちょっと登場人物の心情を掘り下げて欲しいかなという気はしました。ただ、ライバルの登場で物語に芯が通ったのと、京都感が前作以上になっているので、おすすめ度は星四つです。

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