おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『オレたちバブル入行組』 池井戸潤 半沢直樹の原作

   

書評的な読書感想文207

『オレたちバブル入行組』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

池井戸潤(作家別索引

文春文庫 2007年12月

お仕事 経済(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

悪役がしっかり悪役らしいので、逆転をしたときのカタルシスが半端ないです。主人公のちょっと短気で正義感が強い性格も共感できて良いです。スカッと気持ちの良い小説でドラマが受けたのもわかります。

 

 

あらすじ

大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。(作品紹介より)

 

 

気持ちのいい悪役

以前紹介した池井戸さんの『下町ロケット』は中小企業VS大企業という構図で、敵方の大企業にも悪い奴だけでなくいい奴もいました。一方、今回の作品は、銀行内の悪役上司VS主人公という個人VS個人の構図で、主人公の半沢に責任をなすりつけようとする支店長をはじめ、悪役が気持ちいのいいくらい悪役しています。

 

物語最大の悪役である主人公・半沢のいる銀行の支店長は専制君主的な人物で、自分が主導した融資が焦げ付いた責任を半沢に押し付けようとします。こいつが実にやな奴なのですが、絶妙に身近に居そうでもあります。例えば、

家臣から耳の痛いことを進言された専制君主のように、事実そのものより、それを報告してきた者に対して怒りをおぼえているような態度を浅野はとった。(P46)

上司というより、社会人としていかがなものかという感じですが、実際にいますからね、こういう人。

 

ただ、悪役がしっかり悪役しているので、主人公サイドが逆転したときのカタルシスは、半端ではなく、ただ事ではない爽快感が味わえます。

 

 

短気で正義感あふれる

悪役が悪役らしくてとてもいいのですが、主人公のキャラクターも物語を盛り上げてくれます。主人公はちょっと短気で正義感あふれる人物で、普通なら上司に歯向かうなんてありえないような場面でも、おかしなことはおかしいと反論します。

 

作中では理不尽な状況で読んでいてストレスがたまってくるシーンなどでズバッと言いたいことを言うので、こちらの気持ちを代弁してくれているようで、読んでいてうれしくなってしまいます。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

物語の舞台はバブル崩壊後の銀行の話で、不良債権の回収が物語の一つのテーマにもなっていますが、小難しいことは決してないのですらすら読むことができました。また、上にも書いたように、分かりやすい悪役を正義感あふれる主人公が最後にはきっちり倒す物語で、読んでいてスカッとできます。

 

実は作中で「倍返しだ」と、(正確には)言っていませんが、ドラマが大ヒットしたことも納得できるってことで、おすすめ度は星四つです。

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