おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『三匹のおっさん ふたたび』 有川浩 植物図鑑の番外編もあります

      2016/10/30

書評的な読書感想文201

『三匹のおっさん ふたたび』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

有川浩(作家別索引

新潮文庫 2015年2月(ブログの画像等は講談社版です。)

人間ドラマ 家族(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

おっさんたちの活躍が少なく、前作に比べるとパワーダウンしています。ただ、祭を復活させる話など番外編的な話は楽しめました。前作のような爽快感は少ないですが、人間関係の機微が描かれています。

 

 

あらすじ

剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた!書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火……。ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。ノリにはお見合い話が舞い込み、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動!ますます快調、大人気シリーズ第二弾。(作品紹介より)

 

 

『三匹のおっさん』シリーズ第二弾

今好きな作家で打線を組んでみた」で堂々四番の有川浩さんの作品で、以前紹介した『三匹のおっさん』の続編です。前作からの流れで話が進むので、そちらを先に読むのをおすすめします。

 

前作では三匹のおっさんたちじじい世代と孫世代の話が中心でしたが、今作は間の親世代が中心で、おっさんたちがあまり活躍しない話もいくつか出てきます。もちろんおっさんたちが活躍する話もありますが。ただ、自主規制的なものが掛かったのかは分かりませんが、私のお気に入りのキャラである改造スタンガンの使い手のノリの危ないところが抑え目な気がしました。

 

続編ではありますが、三分の一はおっさんたちがあまり活躍しない番外編的なものなうえに、ノリを筆頭に格闘シーンは控えめなので前作よりパワーダウンしている感は否めません。

 

 

むしろ番外編が面白い

全六話の短編の内二話はおっさんたちがあまり活躍しない親世代を中心とした番外編的な話で、前作よりパワーダウンをした原因になっていますが、物語としてはこの二つの話が面白かったです。

 

一つは主人公のキヨの息子の嫁の貴子がパートでトラブルに合う話。今まで働いたことのない女性が、活気あふれる肉屋でパートを始めるのですが、要領よく立ち回れず徐々に孤立してしまいます。また、店長に変に気に入られてしまい余計に孤立することに。周りの心配をよそに何とか自力で問題を解決しようとする貴子ですが、といった話です。

 

イジメまがいのことをするパート仲間を単純に悪と決め付けるわけではなく、人間関係の機微や孤立した原因を描いていてなかなか考えさせられます。また、この話の結末はすっきり爽快ってわけではありませんが、個人的には納得です。

 

もう一つの話はシゲの息子が地域の祭りを復活させる話です。今回の作品の中で一番熱量を感じれた話で個人的には一番気に入りました。ただ、地域の祭を復活させるわけなので、当然お金も掛かるし地域の協力も必要だったりします。ちょっと理不尽な出来事なんかも起きますが、そういった難題をクリアしつつ祭を作り上げる過程が描かれていて面白かったです。

 

おっさんたちの活躍はさておき、今作では番外編的な話のほうが物語としては面白かったです。

 

 

『植物図鑑』の番外編

今作にはボーナストラックとして『三匹のおっさん』のとあるキャラと『植物図鑑』のあるキャラがコラボした短編が収録されています。どちらかというか、完全に『植物図鑑』よりの話なのでファンの方はチェックしても良いかもしれません。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回は親世代の番外編を中心に人間関係の機微を描いた物語が多くそういった意味では楽しめました。ただ、期待していたおっさんたちの活躍は少ないので、前作ほどの爽快感はありません。

 

残念ながら前作よりかはパワーダウンしているってことでおすすめ度は星三つです。

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