おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ばけもの好む中将 四』 瀬川貴次 封鎖せよ!

   

書評的な読書感想文186

『ばけもの好む中将 四 踊る大菩薩寺院』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

瀬川貴次(作家別索引

集英社文庫 2015年8月

時代 ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

派手なアクションはさすがにやり過ぎか。逆にサブタイトルの作品に対するオマージュは、もっとやっても良いかも。今回、今後のキーになるキャラが出てきた上に、新たな人間関係もできたので次回以降に期待です。

 

 

あらすじ

怪異をこよなく愛する“ばけもの好む中将”宣能。木枯らしが吹く冬でも怪異への愛と情熱は燃え上がるばかりで、お供の宗孝を引き連れ、都の怪異を訪ね歩くが、空振りを続ける日々。その頃ちまたでは、奇蹟が次々と起こるという寺・本憲寺に参詣者が詰めかけていた。偶然にも同じ日にそれぞれ姉妹と共に寺を訪れた宣能と宗孝は、思わぬ大騒動に巻き込まれ……。大人気平安怪奇冒険譚、第4弾!(作品紹介より)

 

 

『ばけもの好む中将』シリーズ第四弾

以前紹介した『ばけもの好む中将』、『ばけもの好む中将弐』、『ばけもの好む中将参』の続編でシリーズ第四弾になります。流石にここまでくると、いきなりこの巻から読んでも入り込めないと思うので、前の三作を先に読むことをおすすめします。

 

簡単に内容を説明すると、怪異をこよなく愛する“ばけもの好む中将”宣能とその友人?の宗孝のコンビが、平安時代の京都で本物の怪異を求めてさ迷い歩くも、怪異に見せかけてその背後には人の欲望が渦巻いている事実を解き明かすお話です。

 

タイトルからイメージする怪異や平安時代にありがちな陰陽師などは出てきませんが、平安の雰囲気を何となく楽しめるライトミステリーになっています。

 

 

流石にやりすぎか、そしてやらなさすぎか

このシリーズの見所は幾つもあると思うのですが、その中でも平安時代にそぐわない派手なアクションがあると思います。ここまでの作品では牛車でカーチェイスをしたりと、ちょっとした格闘シーンがあったりと楽しませてくれましが、今回は派手なアクションシーンがあります。

 

というか、派手すぎて流石にやりすぎかと思いました。頭の中で忠実に再現すると、宣能と宗孝は頭からつま先まで泥だらけになってしまいますし、相応の怪我もしてないとおかしいような。

 

もうひとつの見所はこれも平安時代にそぐわない小ネタの数々かなと思います。今までの古典のオマージュからキン肉マンネタまで色々ありましたが、今回は通信販売ネタがなかなか面白い。しかも、前半で出てきた小ネタが終盤に生きるという芸の細かさ。

 

ただ、サブタイトルからも分かるように、某超有名刑事ドラマのオマージュをしていますが、もうちょっとがっつりパクッても面白かったのかなって思ってしまいました。例のコートを着るとか、例の橋を封鎖できずに叫ぶとか、、、。

 

 

新しい人間関係

今回新たに、宗孝の十二番目の姉が出てきます。また、今まで存在は明らかになっていましたが、具体的には出てこなかったキーパーソンがとうとう出てきました。

 

宣能と宗孝の友情、宗孝の出世、初草の君の将来、そして宣能とその父右大臣との関係、全てに影響を及ぼしそうなこのキーパーソンが意外なところで意外な人間関係を築いたおかげで、今後の展開を予想する楽しみが生まれ、次回作に期待が持てました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回の感想はちょっと辛めですが、内容的には安定して楽しめました。また、上にも書いたとおり次回作にも期待が持てるってことで、星三つです。

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