おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

*

『虚像の道化師』 東野圭吾 超常現象全滅

   

書評的な読書感想文176

『虚像の道化師』(文庫)

おすすめ度☆☆(星数別索引&説明

東野圭吾(作家別索引

文春文庫 2015年3月

ミステリー サスペンス(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

ガリレオシリーズの短編集。ガリレオの短編らしい、科学的な技術や法則を利用したトリックを楽しめます。とんでも科学的な物もありますがそこを含めて。また、各話登場人物にちょっとしたドラマがあるのも良いです。

 

 

あらすじ

ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。男は何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りた様子だったが、教祖は自分が念を送って落としたと自首してきた。教祖は本当にその力を持っているのか、そして湯川はからくりを見破ることができるのか(「幻惑す」)。ボリューム満点、7編収録の文庫オリジナル編集。(作品紹介より)

 

 

「ガリレオシリーズ」第七弾

以前紹介した『容疑者Xの献身』や『聖者の救済』の続編で、ガリレオこと天才物理学者湯川学が主人公のシリーズです。このブログでは2冊しか紹介していませんが、このブログを始める前に全巻読破済みです。

 

今作は取り立てて他の巻とのつながりはないので、この巻から読んでも楽しめるでしょう。ただ、下に書きますが、「ガリレオシリーズ」は長編と短編で毛色が違うので、長編を読んで今作を読むと若干戸惑うかもしれません。

 

 

超常現象全滅

気功、透視、テレパシー、幽霊。今作で出てくる超常現象ですが、いずれもガリレオこと主人公の湯川教授にトリックであることを暴かれます。ガリレオシリーズの長編はいわゆる本格ミステリーですが、今作を含めた短編は科学技術や物理の法則を利用したトリックも多くあり、超常現象じみた犯罪も科学的に解明してしまいます。

 

ちなみに、超常現象に対する湯川教授のセリフ

「信じないのではなく、信じるに足る証拠の存在を知らない」(P85)

このセリフに共感できる人は、この物語も楽しめるかもしれません。

 

今回はちょっととんでも科学かなと思える物もありまし、確かに実現可能かもしれないけどそんなのアリ?と思う物もありましたが、実際に起きた現象を科学的に解明するいつものパターンを楽しめました。ただ、長編を初めに読んだ人は多少、イメージと違うところがあるかもしれません。これはこれとして楽しいと思いますが……。

 

 

小さなドラマ

どの話も70ページ程度の短編なので長編ほどこった作りではないのですが、どの話もちょっとしたドラマがあります。うまくなじめなかった義理の母娘の話や、能力が衰えて引退を迫られている野球選手に偏屈な湯川教授が絡む話などは、ちょっとほっこりできる話で楽しめました。

 

マイペースで自分の興味のあることにしか関わらなそうにみえて、案外義理堅く人情味もある湯川教授の姿みられます。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

トリック、人間ドラマなどなどあらゆる面で「ガリレオシリーズ」は長編のほうが面白いと思います。ただ、普通のミステリーでは絶対使わない科学技術を用いたトリックやこんなのアリ?と思ってしまうようなトリックは、これはこれとして面白いです。

 

長編より高評価にはなりませんが、興味がある人にはおすすめできるってことで、星三つです。

よろしかったらクリックお願いします。

 

 - ☆☆☆ , ,