おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『氷舞』 大沢在昌 敵は公安警察

   

書評的な読書感想文174

『氷舞 新宿鮫Ⅵ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

大沢在昌(作家別索引

光文社文庫 2002年6月(ブログで使っている画像などは新装版のものです。)

ハードボイルド 警察(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

今回の敵は公安警察。黒幕や事件の全容がなかなか明らかにならず、緊張感を持って読めました。また、今回は仕事でも私生活でも鮫島の信条が問われる、重大な選択を迫られていて、悩み苦しむ鮫島の姿も見所です。

 

 

あらすじ

西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺された。事件の鍵を握る平出組の前岡に迫る鮫島。しかし、なぜか公安警察が立ちはだかった。その背後には元公安秘密刑事・立花の影が。捜査の過程で鮫島は、美しく孤独な女・杉田江見里と出逢い、惹かれていく……。江見里と事件の関わりが浮上するなか、鮫島は“核心”に挑む。興奮と感動の傑作シリーズ第6弾。(作品紹介より)

 

 

『新宿鮫』シリーズ第六弾

以前紹介した『新宿鮫』『毒猿』『屍蘭』『無間人形』『炎蛹』の続編で、『新宿鮫』シリーズの第六弾になります。

 

以前のシリーズ作品と比較的つながりが薄く、どの巻から読んでも楽しめるのがこのシリーズのひとつの特徴だと思います。ただ、今作は前作に出てきた敵役や第一弾に出てきたライバルが再登場してることもあり、また、鮫島と恋人の晶に大きな変化があることから、前の五冊を読んで登場人物の関係を理解していた方がより楽しめます。

 

 

今回の敵は公安警察

今回の敵は公安警察です。公安警察とは、政治思想犯やテロリストを取り締まる部署ですが、秘密主義で情報を表に出さないことで有名です。

 

だからなのか、鮫島に情報が確信に迫ろうとすると邪魔が入り、なかなか核心に迫れません。ただ、読者には大物の黒幕の存在がほのめかされるので、事件の真相が明らかになるまで緊張感を持続して物語の没頭できました。

 

また、公安警察という大きな敵の前に、鮫島と一巻に出てきたライバルと手を結ぶ展開もちょっと熱いです。

 

 

選択

今作で主人公の鮫島は仕事でも私生活でも重大な選択を迫られます。

 

仕事での選択は鮫島も一応悩みますが、こちらを選ぶんだろうなという選択を鮫島がするので読んで納得できました。悩む気持ちも、選んだ理由も鮫島っぽいなと。

 

私生活での選択は、ずばりヒロインの晶との関係で岐路に立たされます。冒頭でも書きましたが、この晶との関係を十分に理解して鮫島の選択と結果を読んでほしいので、これ以前のシリーズを先に読んだほうが良いです。

 

たぶん賛否両論あるでしょうし、納得できない人もたくさんいるんじゃないかと思います。ただ、個人的には二人とも、特に晶がすごく「らしい」ので結構すんなり結果を受け入れられました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

五巻で出てきて今作でもちょっとだけでてきた敵役がいます。本筋には絡みませんでしたが、次回以降も出てきそうです。また、上で書いたように晶との関係にも変化が起き、今後が気になる展開です。

 

今回で六弾ですが本筋を堪能できた上に、まだまだ先が気になる展開はすごいってことで、おすすめ度は星四つです。

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