おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ヘンたて2』 青柳碧人 卵とじ密室

   

書評的な読書感想文166

『ヘンたて2 サンタクロースは煙突を使わない』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

青柳碧人(作家別索引

レーベル 2013年2月

ミステリー 青春(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

変な建物で起こるミステリー+サークル青春物という設定は相変わらず。卵でとじられた密室やサンタの進入経路の謎など、ライトだけど捻りが効いていて楽しめます。ちょっといい話もあって、ウルッとしました。

 

 

あらすじ

幹館大学ヘンな建物研究会、通称「ヘンたて」に所属する亜可美は今日も個性豊かな仲間と活動中。なぜか同行した先輩のシューカツ先は床が芝生のパター製作会社、サークル幹事長が代替わりしての初遠征はまさかの卵とじ密室と、今回もヘンな建物てんこ盛り。そして伝説の4年生も合流したクリスマス合宿の舞台は、雪の結晶型コテージ。星の輝く夜に仕掛けられたサンタクロースの完全犯罪とは?好評建物ミステリ第2弾!(作品紹介より)

 

 

『ヘンたて』シリーズ第二弾

今好きな作家で打線を組んでみた」で投手陣の抑えにいる青柳碧人で、以前紹介した『ヘンたて』の続編です。

 

物語の舞台は「幹館大学ヘンな建物研究会」というサークル。名前の通りヘンな建物を探して見に行くちょっと変わったサークルです。このサークルの行く先々の建物でちょっと不思議な出来事が起きて、それをサークルの仲間たちが協力して解決するって言うのが基本的な筋です。

 

前作を紹介したときにも言いましたが、ちょっと開き直ったこの設定が私は好きです。ミステリーでたまに出てくる、トリックを成立させるがために、いろんな法律を蔑ろにしてしまっているおかしな建物に対するアンチテーゼのような気がして。

 

そんな、ヘンな建物ミステリー+サークルを舞台にした青春物といえるこの作品。サークルで旅行に行ったり、先輩の就活に巻き込まれたりと前作同様、楽しそうです。前作の最後で主人公とその友達が三角関係になりそうな予感がありましたが、まったくドロドロした感じにはならず、あっさり解決したのも良いです。

 

前作で存在がほのめかされていた四年生も登場してにぎやかな仕上がりです。

 

 

ライトだけど、捻りの効いたミステリー

肝心のミステリー部分ですが、人が死んだりしない日常系ライトミステリーで、ヘンたてと絡めて一捻りしてあります。例えば「卵とじ密室」の話では、卵形のヘンたてが密室に仕立て上げられていますが、ほんとにというか、二重の意味で卵でとじられていています。ミステリーのトリックもきちんと卵に関係していて感心しました。

 

サンタクロースの完全犯罪の話では、サンタの進入経路が問題になっていて、ちょっと変化球なトリックというか完全にフェアかというと微妙ですが、面白かったです。

 

また、どの話も物語の各所にヒントがたくさんあるので、しっかり読み込んで考えれば(私はあまり考えない派)答が出せそうなのでも良いです。

 

 

ちょっといい話も

上に書いたサンタクロースの完全犯罪の話は、あまりトリックを考えない派の私でも読んでいる途中でもしやと思うことがありました。ただ、方法は正解でしたが動機までは思いつかず、真相を知ってちょっとウルッときました。

 

この話は、一冊の中で一番最後の話になっていて、この話のおかげで、読後感がとても良くなりました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

「ヘンたて」という題材のインパクトは当然一作目の方がありましたし、今作で何か際立って目新しいことがあったわけでもなく、読んでいて前作越えはきびしいかなって印象でした。ただ、最後の話でちょっと感動できたので、おすすめ度は前作と同じ、星三つです。

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