おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『一瞬の風になれ 第二部』 佐藤多佳子 リレーは燃える

   

書評的な読書感想文157

『一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

佐藤多佳子(作家別索引

講談社文庫 2009年7月

青春 スポーツ(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

合宿、バーベキュー、特訓、恋。先輩の引退、部長就任、勝利、敗北。部活って楽しいなって事が伝わってくる作品。リレーと100㍍走の対比も面白い。団体競技ってやっぱり盛り上がります。第三部もすぐ読みます。

 

 

あらすじ

オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、二年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る!「努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない」。まずは南関東へ――。新二との連の第二シーズンが始まる。(作品紹介より)

 

 

『一瞬の風になれ』シリーズ第二弾

以前紹介した『一瞬の風になれ 第一部』の続編で、2007年の本屋大賞受賞作です。

 

『第一部』の紹介のときにも書きましたが、この作品、一作目がヒットしたから続編が出たわけではなく初めから三部作なので、必ず『第一部』を読んでからこの『第二部』を読むべきでしょう。

 

今回、主人公の新二は二年生になり、一作目以上に充実した部活ライフを送っています。

 

 

春高陸上部

一作目と同様に、主人公の新二の陸上部での様子が中心に物語は進みます。ライバル高との合同合宿があったり、部活の仲間と河原でバーベキューをしたり、特別メニューで特訓したり、恋もしたりと、高校の部活でする楽しいイベントが目白押しです。なんだか自分も春野台高校陸上部に入っているような気持ちになります。

 

これ以外にも二年生なので、先輩の引退や部長就任、試合での勝利に敗北なんかもあります。特訓をしてちょっとずつ力がついている様子がうまく描かれていてわくわくするし、でも、もちろん力及ばす残念なこともあるのが、またリアリティーがあって良かったりもします。

 

努力したぶん、きっちり結果が出るわけじゃない。だけど、努力しなかったら、まったく結果は出ない。(P201)

 

 

やっぱりリレーは燃える

主人公の新二は短距離走の選手なので、主に100㍍走と100㍍×4リレーが物語のなかで描かれています。

 

この100㍍走と100㍍×4リレー、個人競技と団体競技の対比が面白いです。100㍍走も緊張感があるし、ライバルとの勝負など見所がたくさんありますが、やっぱりリレーは盛り上がります。

 

上でも書きましたが、読んでいて春高陸上部に入っている気持ちになっているので、応援する気持ちも強くなるし、

「だけど、リレーはな……。わかっててもな、ありえなくても、もっと速く走りてえよ。誰か他の奴の身体借りてきてでも速く走りてえ。」(P226)

なんて台詞からもあるように特別な緊張感があります。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

第一部』を紹介したときに「物語の種はこの第一部でたくさん植えられたと思うので、どう育つのかは次回以降に期待です。」と書きましたが、植えられた種はしっかり芽吹き育っています。

 

陸上では特訓の成果が徐々に見られ、ライバルや連との関係にも変化が出てきます。恋の話もちょっとずつ進展?しているような。また、『第二部』のラストで新二と家族の関係が大きく変化しそうな出来事が起きて、こちらも転機を迎えそうです。

 

次回『第三部』ではどんな花を咲かせてくれるか、期待をしつつ控えめの星三つです。

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