おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『6TEEN』 石田衣良  高校一年生

   

書評的な読書感想文141

『6TEEN』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

石田衣良(作家別索引

新潮文庫 2012年7月

青春 友情(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

前作に比べ、共感したり、ワクワクできることが少なくちょっと残念でした。一つの話が短く、そこに社会問題的なテーマを入れ込むので『池袋ウエストゲートパーク』の上品な高校生版という、印象を受けました。

 

 

あらすじ

あれから2年。テツロー、ナオト、ダイ、ジュンの四人は高校生になった。はじめてのセックス、二股の恋愛、同級生の死。なにが変わって、なにが変わらないのか。東京湾に浮かぶ月島で、ぼくらは笑い、怒り、悩みながら、永遠と未来の間をさまよい歩く。まだ少しだけ、憂鬱や退屈や不安よりも、早く走れると信じて――。『4TEEN』のその後、四人組が駆け抜ける16歳の青春。(作品紹介より)

 

 

『4TEEN』の続編

今好きな作家で打線を組んでみた」で一番に入っている石田衣良さんの作品で、以前紹介した『4TEEN』の続編です。14歳だった主人公達は、16歳になって通っている高校はバラバラだけど、相変わらず四人でつるんで楽しそうです。

 

ただ、前作に比べて共感できることや、読んでいてわくわくする事が少なかったのが残念です。前作が面白かったので、ちょっとハードルが高くなってしまっていたことと、わりと頻繁に女の子と絡むことがある主人公達に比べ、私は女の子に縁のない高校生だったので、ちょっと共感しにくかったです。

 

 

普通の高校生版『池袋ウエストゲートパーク』?

今作は300ページに短編が10話という構成で、一話が短めになっています。そのうえ、身体的な性別と心の性別の違う人の話しや、ホームレスと働く意義など、社会的なテーマが入れ込んである話が多かったです。

 

そのせいか、以前紹介した、石田さんの『池袋ウエストゲートパーク』シリーズの普通の高校生版、という印象を受けました。ただ、『池袋ウエストゲートパーク』は社会問題でも表と裏の狭間の問題を取り上げているので面白いのですが、今作は、普通の高校生が出会える範囲の社会問題なので、ちょっと肩透かし名感じでした。

 

 

切れ味のある言葉

前作が面白かった落差で、ちょっと批判的になりましたが、さすがに石田衣良さんで印象に残る言葉がいくつもありました。

(管理人註:携帯小説で)女の子がぐっとくるような暗い場面(これは不思議なのだけれど、女子の多くは自分が安全な場所にいながら、誰かが徹底的に不幸になる場面を読むのが舌なめずりをするくらい好きみたいだ!)は良く書けていた。(P116)

 

童貞を卒業してなによりもうれしかったのは、ぼく自身が変わらなかったことだ。(P269)

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回一番残念だったのは『4TEEN』のように、読んでいて主人公たち四人と一緒にわくわくする事が少なかったことです。14歳の時に気持ちにはなれたけど、16歳の気持ちになれませんでした。

 

ただ、石田さんらしい社会問題を絡めた話や、16歳の女の子との関わり方が描かれていている話が楽しめるってことで星三つです。

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