おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『悪夢のエレベーター』 木下半太 後味が悪い

   

書評的な読書感想文136

『悪夢のエレベーター』(文庫)

おすすめ度☆☆(星数別索引&説明

木下半太(作家別索引

幻冬舎文庫 2007年10月

コメディ サスペンス(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

コメディよりのサスペンスなのに、後味が悪く、私には合わないと思いました。前半は、軽快なテンポで話が進み、クスリと笑え、驚きもあるのですが、後半はブラックな展開で結末も重く、厭な気持ちになりました。

 

 

あらすじ

後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターに、ヤクザ、オカマ、自殺願望の女と閉じ込められていた。浮気相手の部屋から出てきたばかりなのに大ピンチ!?しかも、三人には犯罪歴があることまで発覚。精神的に追い詰められた密室で、ついに事件が起こる。意外な黒幕は誰だ?笑いと恐怖に満ちた傑作コメディサスペンス。(作品紹介より)

 

 

なるべく、二作は読む

私はラーメンが大好きなのですが、体調やお腹の減り具合で、一度あまり美味しくないと思った店でも、もう一度行くと美味しいこともあるので、基本的に二回は同じ店に行ってその店を評価するようにしています。読書もそのときの精神状態や体調に影響されると思うので、苦手な作家さんでも、なるべく二回は試してみようと思います。

 

そこで、今回は、以前紹介した『悪夢のギャンブルマンション』の木下半太さんの作品です。前回紹介した時がだいぶ辛口だったのですが、一つの作品だけを読んで、その作家さんを評価したくなかったので、今回、木下さんの代表作を読んでみました。。

 

 

三分の二までは楽しめました

物語は三章からなっていますが、前半の二章は楽しめました。

 

エレベーターという密室で、登場人物四人の会話で物語が進むのですが、軽快なテンポ物語が進み、クスリと笑えるところもあったりします。第一章は妊娠した妻が陣痛になり早く病院に駆けつけたいのに、エレベーターに閉じ込められた男が主人公です外に出られなく時間だけが進んでハラハラしている所に、過去の秘密を告白し合うという、おかしな雰囲気に。

 

わけの分からないまま、第二章に突入します。二章は一章の話を別の登場人物の視点で繰り返すつくりなのですが、そもそもエレベーターに閉じ込められることになった意外な理由が明かされていて、とても驚かされました。

 

ここまでの話で、うまく終わらしてあればおそらく星四つを付けたでしょう。

 

 

ブラックな終盤

第三章になると、物語は急にブラックになります。エレベーターに閉じ込められたちょっとした理由があって、その理由は共感は出来ないけど、理解は出来る範疇でした。

 

けれど、三章の主人公の行動は何でそんなことをしでかしたのか、理解に苦しむことが多いです。自分勝手で、結構ブラックな行動を取ります。その上、三章でもどんでん返しがあるのですが、その内容(ネタバレになるので詳しくはいえません)が、かなり重い話です。

 

結末も、すっきりとするものではなく、ブラックで後味が悪いまま終わります。コメディよりの話なのに(完全なホラーなら後味が悪くても問題ない)、この後味の悪い読後感だと、前半の面白さを帳消しにして有り余るほどです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回も、前に紹介した作品でも、後味の悪さが気になりました。コメディよりの内容で無ければ問題ないのですが、コメディならば後味がよい作品が好みです。この後味の悪さは、意図的なものでブラックジョークとして作者の持ち味だと思うのですが、私には合いませんでしたってことで、星二つです。

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