おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『化物語』 西尾維新 好き嫌い分かれそう

   

書評的な読書感想文129

『化物語 上下』(単行本)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

西尾維新(作家別索引

KADOKAWABOX 2006年11,12月

ラノベ ファンタジー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

いろいろなタイプの女の子と主人公の軽快なテンポの会話文にこれでもかと詰め込まれた、言葉遊びや、パロディ、メタなどを楽しむ物語。確かに面白いが、くどいので飽きるのもまた事実。次回作は読まないかな。

 

 

あらすじ

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANと新たにコンビを組み、あの西尾維新が満を持して放つ、これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春に、おかしなことはつきものだ!(作品紹介より)

 

 

怪異をベースにしたハーレムもの

私が毎週愛読してる、『少年ジャンプ』で原作を書いていた西尾維新さんの作品。売れっ子ラノベ作家として必ず名前の上がる方ですし、一度読んでみたかった作家さんです。

 

物語は五つの中編から構成されています。どの話も主人公の阿良々木暦という高校生の男の子が、怪異と呼ばれる、妖怪が起こす超常現象で苦しんでいる女の子を助ける物語です。

 

各話のヒロインになる女の子は、毒舌ツンデレ正統派美少女、めがね三つ網隠れ巨乳委員長など、いろいろな属性を持っています。そして、お約束というか、なぜか全員、主人公に好意を持っていたりします。

 

 

とにかく会話が面白い

ストーリー的には妖怪ファンタジーのハーレム物とまとめられるかもしれませんが、面白いのはそこではありません。作者本人が上巻のあとがきで

本書は怪異を主軸に据えた三つ(管理人註:上巻には三話掲載)の物語――では、ありません。とにかく馬鹿な掛け合いに満ちた楽しげな小説を書きたかったのでそのまま書いたという三つの物語です。(上巻P445)

と書いてあるとおり、主人公とさまざまなタイプの女の子達との、軽快なテンポの会話を楽しむ物語です。

 

迷子の小学生の女の子と主人公・阿良々木の会話で、

「おや、どうかされましたか阿良々木さん。急にわたしのこと見つめたりされて。そんなことされると、わたし、照れてしまいます」

「いや……なんていうか、そのな」

「わたしに惚れると、火傷しますよ」

「……なに、その、台詞」

無意味に読点の数が増えてしまう。

「なにって言われましても、ほら、わたしって見てのとおりクールビズですから、この手の格好いい台詞が似合って似合ってしょうがないのです」

「それ、クールビューティといい間違っているのはすぐにわかるんだけど、なんていうか、そっから先、いまいちどう突っ込んでいいのか、僕には思い当たらないよ、八九寺。ていうか、お前、クールだっていうなら、火傷するってのはおかしくないか?」

「む。そうですね。では」

難しい顔をして、言い直す八九寺。

「わたしに惚れると、低温火傷しますよ」

「……」

「とっても格好悪いですっ!」

「しかも、それ別に、クールではないしな」(上巻P205)

だいぶ長い引用になりましたが、こういったテンポの良い会話にかなりの分量が割かれています。

 

また、会話のなかには、これでもかと言葉遊びやパロディ、メタなどが詰め込まれています。この辺は好き嫌い別れるところですが、興味がある人は一回立ち読みでもいいので、試してみるといいかもしれません。はまるひとははまると思います。

 

 

私に刺さったあれこれ

いい人間は幸せな人間で、悪い人間は不幸せな人間だなんて、そんな単純な二元論で、僕はそれまで世界を捉えていたのかもしれない。(下巻P166)

 

「心を閉ざした人間が、言いたいことを言いたいように言う対象は、二種類だけだ。ひとつは、嫌われても構わない相手。もうひとつは――嫌われる心配のない相手だ。」(P225)

 

「猫耳といえば、そう言えば、則巻アラレちゃんもよく装着していたよね。いやあ、振り返ってみるに、あの漫画は時代を先取りしていたなあ。猫耳でロリでロボで眼鏡で妹で髪の色は紫で変な口癖てんこ盛りだぜ?」(P319)

鳥山明は天才です。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

この作品の売りである会話文はかなり楽しめました。言葉のチョイスや言葉遊び的なのは秀逸です。ただ、分量が多いのでくどく感じました。中盤以降、飽きたのも事実です。

 

このパターンは今作でお腹いっぱいなので、シリーズを追いかけることはしませんが(アニメは見てみたいですが)、西尾さんの作品は他のを読んでみたいなってことで、星三つです。

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