おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『浜村渚の計算ノート5さつめ』 青柳碧人 数学って美しい

   

書評的な読書感想文118

『浜村渚の計算ノート5さつめ 鳴くよウグイス、平面上』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

青柳碧人(作家別索引

講談社文庫 2014年3月

ラノベ ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

魔方陣を使った謎解きは、読んでいて鳥肌が立ちました。美しいです。他は鳩の巣原理の話が面白かったです。数学的な話も興味深いのですが、いつもの渚の〆の言葉がよかったです。今回は色々物語が動いたりもします。

 

 

あらすじ

浜村渚が修学旅行で大冒険!京都で謎の連続殺人事件が発生。現場には、なぜか京野菜が撤かれていたのだ。テロ組織「黒い三角定規」の不気味な影がちらつく中、渚&親友のセチが真相を見抜く!魔方陣を使った謎解き合戦、鳩の巣原理を操るテロリストとの対決なども加えた、傑作4篇を収録。(作品紹介より)

 

 

浜村渚シリーズ5さつめだけど第六弾

今好きな作家で打線を組んでみた。」で投手陣の抑えにいる青柳碧人さんの作品。

 

浜村渚の計算ノート』、『浜村渚の計算ノート2さつめ』、『浜村渚の計算ノート3さつめ』、『浜村渚の計算ノート3と½さつめ』『浜村渚の計算ノート4さつめ』の続編です。番外編の『3と½さつめ』をはさんでいるため、『5さつめ』なのに6巻になってます。

 

今回、シリーズ全体のストーリーが結構動いているので、番外編を除いた四作は先に読んだほうがよいでしょう。

 

 

数学って美しい

四つの短編からなる今作ですが、その一つで魔方陣を取り上げています。魔方陣とは例えば、3×3のマスに1~9の数字を入れて、縦横斜め、どこの列の数字を三つ足しても合計が全て同じになるようにしたもののことです。4×4、5×5とマス目を増やしても魔方陣といえます。

 

そんな魔方陣を使って「黒い三角定規」と対決する渚ですが、ちょっとしたミスで、ぜんぜん関係ない数字が(1~9以外の数字)魔方陣に入り込んでしまいました。その間違った数字を使った魔方陣を渚がうまい具合に修正するのですが、完成したのを見て思わず鳥肌がたちました。

 

数学は神様が作った法則で、その美しい法則を人間が探し出してるだけといったことが、以前紹介した『博士の愛した数式』に書いてありましたが、その意味がわかりました。数学ってこんな美しいものなんだなって実感できます。

 

 

鳩の巣原理

「鳩の巣原理」なる数学原理があるそうです。

「『n個の鳩の巣があって、m羽の鳩がいて、mがnより多かったら、少なくとも一つの巣には、鳩が2羽以上入らなければならない』っていう原理です」(P111)

つまり、4つ鳩の巣があって、鳩が5羽いたら、少なくとも1つの巣には2羽以上鳩がいるってことです。

 

作中でも「お前それ、当たり前だろ(P112)」と突っ込まれていますが、この原理、なかなか面白いです。この原理を使うと

『千葉市美浜区に住んでいる人の中には、同じ本数の髪の毛が生えている人同士が確実にいる』(P113)

っていうことを証明できたりします。数学が苦手な人でも分かるような、当たり前のような原理ですが、突拍子もないことを証明できたりして、ちょっと面白いです。

 

ただ、鳩の巣原理を使った話の一番の見所は、浜村渚の犯人説得のシーンです。鳩の巣原理を考えた数学者は、とても優しい人だった渚は考えます。その理由を明かして犯人を説得する場面は、シリーズ屈指の名シーンかなって思います。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回、いままで散々引っ張ってきた武藤さんの過去が明かされます。また、前回登場した新キャラが物語を引っ掻き回し、シリーズ全体のストーリーが動いてる感じがしました。

 

ただ、ちょっとキナ臭くなりつつ、次回以降も目が話せない展開ってことで、星三つです。

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