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小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『くノ一忍法帖』 山田風太郎 悪役視点

   

書評的な読書感想文117

『くノ一忍法帖 山田風太郎忍法帖⑤』(文庫)

おすすめ度☆☆(星数別索引&説明

山田風太郎(作家別索引

講談社文庫 1999年3月

時代 バトル(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

設定と女性キャラは良いのですが、5対5と今まで読んだ忍法帖シリーズで最少人数のためか、冗長な感じでした。また、悪役視点で物語が進むのですが、失敗ばかりなのにえらそうなのが苦手です。ややエロ多めです。

 

 

あらすじ

大坂夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はそのなかに秀頼の落とし胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。子を宿しながら迎え討つ、くノ一、五人衆に危機迫る!忍法帖ブームの際に頂点をなした傑作。 (作品紹介より)

 

 

女性の物語

「今好きな作家で打線を組んでみた。」で7番に入ってる山田風太郎さんの作品。タイトルに「くノ一」とあるように女忍者が活躍する今回の物語。ただ、活躍するのは忍者だけでなく、多くの女性が生き生きとしているのが特徴です。

 

物語は大阪城が落城する時から始まります。真田幸村は配下の五人の女忍者に豊臣秀頼の落とし胤を身ごもらせ密かに脱出させていました。それを知った家康は、伊賀忍者にお腹の子の抹殺命令を出します。

 

何より魅力的なキャラクターは千姫です。家康の孫で秀頼の正室で大阪城が落城の際、徳川側に救出されます。そのときに真田の女忍者も侍女として一緒に救出されます。もちろん、秀頼の子を身ごもっているの承知で。自分は豊臣家の女と主張し、徳川家に歯向かって子どもを守ろうとします。

 

もう一人、千姫と五人の女忍者の味方として丸橋と呼ばれる豊臣側の女性が出てきます。剛腕の大女で鎖鎌で敵をなぎ倒すのが豪快で、頼もしいです。他にも、徳川側で家光の乳母である阿福も良い悪役っぷりをしています。彼女たち女忍者以外の女性が物語のなかで一番生き生きしています。

 

 

悪役視点

物語の主役は千姫と丸橋、五人の女忍者ですが、物語の視点は徳川側の悪役忍者のもので進みます。この悪役忍者も五人なのですが、なかなか任務を果たせないのに(まあ、悪役なので任務を果たしたら物語りは終わってしまいますが)妙にえらそうで好きになれませんでした。

 

普通に千姫の視点で物語を進めたほうがよかったのではと思いました。

 

また、今回出てくる忍者は5対5の10人なのですが、ちょっと少ないかなと思いました。そのため、途中で物語が間延びしてしまい(その分丸橋やもう一人の助っ人が活躍できますが)退屈になってしまいました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回も奇抜な忍法がたくさん出てきます。くノ一が主人公なのでエロティックな忍法が多いです。例えば、男性と交わることで精液だけでなく体の血まで全て絞り出す忍法「筒枯らし」など。エロが苦手な人は読まないほうがいいかもしれません。

 

奇抜忍法、魅力的な女性キャラクターのエンタメ小説ですが、視点が悪役で、しかもあまり魅力的でないのが残念って事で星二つです。

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