おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『4TEEN』 石田衣良 自転車で旅行とか楽しそう

   

書評的な読書感想文114

『4TEEN』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

石田衣良(作家別索引

新潮文庫 2005年12月

青春 友情(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

14歳の少年四人組が色々な問題に立ち向かう連作短編集。彼らに共感しつつ、まぶしかったり、羨ましかったり、恥ずかしかったりと、元少年の私は楽しめました。正義を貫くために勇気ある行動を選ぶのがすごくいい。

 

 

あらすじ

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。(作品紹介より)

 

 

主人公は中二

今好きな作家で打線を組んでみた」で一番に入っている石田衣良さんの直木賞受賞作。物語は14歳、つまり中学二年生の四人の少年たちが色々な問題に向い合う青春物語。何で中二かって事を、作者があとがきに書いてます。

自分自身の十台のなかで一番たのしかった年はいくつだったろうか。高校時代は本ばかり読んで暗かった。やはり中学生がいいだろう。それも受験勉強が厳しい三年生でも、まだ中学に慣れていない一年生でもない。やはり底抜けにたのしかったのは、中学二年生十四歳のときだ。(P325)

良くも悪くも時間とエネルギーをもてあましているのが、中学二年生かなって私は思います。

 

高校や大学は学力や将来の志望や金銭面なんかで、入る学校が分けらるけど、中学はそういった分類がないごちゃ混ぜの状態なのも面白いです。実際、作中でも四人には金銭面や学力で大きな差があります。けど、そんな垣根を越えて四人は仲良しです。

 

ただ、一方で不公平感も心の中で感じていることもあり、そんなところが石田さんのうまいところと思います。

 

 

共感……。

物語のテーマ?にエロ話があります。まあ、中学二年生なんて、頭の中の8割はエロですからね。オナニーの話やセックスへの憧れなど描かれていますが、一番共感できたのは四人がアダルトショップに行った場面。場所は新宿で、四人は自分の趣味にあったアダルトグッツを買うのですが、私も似たような経験をしたことがあって、それも新宿の作中の場所の近くで、変に共感できました。

 

まあ、エロ話以外にも、花火を見るに工場に忍び込んで自分たちだけの特等席を作る話や、クラスの女子に対して変な距離感があったりと共感できるエピソードがたくさんあります。

 

自分の中学生時代を思い出しつつ、四人がまぶしかったり、羨ましかったり、逆に青臭いのが恥ずかしかったりと、元少年の現おじさんは楽しめました。

 

 

個人的に気に入ったエピソード

私が気に入った話は一話目の「びっくりプレゼント」と最終話の「十五歳への旅」。

 

「びっくりプレゼント」は病気で入院している友達にプレゼントを用意する話。予算は一人一万五千円×三人分で四万五千円(この話で唯一共感できなかったのは、中学生達の金銭感覚。貧乏設定の子ですら、結構お金を持っている)。

 

彼らが用意したプレゼントは確かに中学生の男子が一番欲しいもので、ちょっとくだらなくて面白かったです。プレゼント手に入れる過程も良かったです。

 

「十五歳への旅」は春休みに自転車で二泊三日の旅行にいった話。友達と自転車で泊まりの旅行ってだけでわくわく出来ますが、これも行き先が彼ららしくて良かったです。落ちもきれいにまとまっています。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

彼らが行動を起こすときに、自分たちのなかの正義(ちょっと大げさですが)を貫くために勇気ある選択をすることがあります。友情物にありがちな、友達を救うシーンなどですが、ヘタレな中学生だった私は、彼らがとてもかっこよく見えました。とある理由で教室でゲロを吐いてしまった女の子を、クラス中の人が固まっているなか、最初に動いた主人公達には拍手を送りたくなりました。

 

続編があるようなのですが、絶対に読みたいなって事で、星四つです。

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