おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦 脱京都

   

書評的な読書感想文113

『ペンギン・ハイウェイ』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

森見登美彦(作家別索引

角川文庫 2012年11月

SF 青春(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

小四の主人公の研究心や冒険心に共感でき、周りにいる大人たちが温かいのもよかったです。お姉さんとペンギンの謎が明らかになる後半はSF色が強くなりますが、怒濤の展開で一気に読んでしまいました。

 

 

あらすじ

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。(作品紹介より)

 

 

ちょっと理屈っぽい小学四年生と温かいお父さん

毎度おなじみ「今好きな作家で打線を組んでみた。」で五番に入っている森見登美彦さんの作品です。

 

主人公は小学四年生の男の子。物語の冒頭を引用します。

ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。

だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。知りたいことはたくさんある。(P5)

森見さんらしい独特の語り口の、ちょっと理屈っぽい主人公です。ただ、私も主人公ほどではないですが理屈っぽい子どもだったので、結構共感できました。

 

街に突然ペンギンが現れた謎をさぐる「ペンギン・ハイウェイ研究」や川をさかのぼるとどこに着くのかを探検する「プロジェクト・アマゾン」など、研究心や冒険心にあふれているところに共感できました。お母さんのおっぱいと近所の大好きなお姉さんのおっぱいが与える印象がぜんぜん違うのを不思議に思うあたりもです。

 

また、彼の父親が素敵です。主人公の温かく見守り、研究に行き詰った時ヒントをくれるやさしい父親です。この父親の考え方でいいなと思ったところを引用します。

父に新しい本を買ってもらうとき、ぼくは父の試験に合格しなくてはならない。前に買ってもらった本について、どんなところがおもしろかったかということについて、父に説明しなくてはいけない。その試験に合格できなければ、本を買ってもらうことはできない「おきて」だ。(P223)

こんなお父さんになりたいなって思いました。まあ、子どもいませんけどね。というか、結婚してませんが。

 

 

怒涛の後半

物語は主人公が街にペンギンが現れた事件とお姉さんの不思議な力について研究する話です。物語の後半では、いろいろな出来事の真相が次々に明かされていきます。

 

前半の小学生たちが活躍するほんわかした雰囲気からSF色が強くなりますが、怒涛の展開で一気に読んでしまいました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

事件が解決して、主人公が少し大人になる様子がちょっと切なかったりします。不思議な話でジャンルとしてはSFですが、余韻は青春ものですってことで、星三つです。

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