おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『先崎学の実況!盤外戦』 先崎学 ほぼ書き下ろし

   

書評的な読書感想文112

『先崎学の実況!盤外戦』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

先崎学(作家別索引

講談社文庫 2006年5月

エッセイ ノンフィクション(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

「ほぼ書き下ろしエッセイ」のこの作品。作者は将棋の棋士・先崎学さん。棋士が「書き下ろし」でエッセイを出している時点で作者の人気が分かります。将棋以外の話も面白いので、将棋が分からなくても楽しめます。

 

 

あらすじ

NHK将棋番組のハチャメチャな舞台裏。かつてトレードマークだった眼鏡を捨て、近視矯正手術を受けた顛末(てんまつ)。棋士が本を書くことの光と影。メン類との長き戦い。そして掟(おきて)破りの将棋 VS.囲碁対決まで。初対面以前から互いを認め合っていたミステリィ作家・森博嗣氏との対談を含む、ほぼ書下ろしエッセイ文庫!(作品紹介より)

 

 

先崎学とは

私が先崎さん事を知ったのは、『3月のライオン』という将棋が出てくるマンガのコミックのおまけページのエッセイを読んだのがきっかけでした。マンガの将棋シーンの監修をしている関係でエッセイを書いているのですが、それが面白かったので今回古本屋で先崎さんの本を見つけて買った次第です。

 

先崎さんは上にも書いたように将棋の棋士で、名人の挑戦権を争うA級クラスにいたこともある人です(その年のプロ上位11人に入ったということ)。一方で週刊誌にエッセイの連載を持つなど、エッセイストとしても活躍してます。

 

今作は書き下ろし7割で、残りは対談と雑誌の連載エッセイという構成。「ほぼ書き下ろし」に偽りはありません。ただ、棋士が連載がたまったからとかではなく、書き下ろしでエッセイを出せるということからも、先崎さんのエッセイの人気振りが分かります。

 

ちなみに内容は、将棋とそれ以外で半々くらいです。ただ、将棋のネタも、裏話的なものが多いので将棋を知らなくても楽しめます。

 

 

将棋本の裏話

エッセイでは将棋界の裏話的なものも多くあります。その中で私が面白かったのは、将棋本の裏話です。先崎さんも含めプロが将棋本を書く際には自分でしっかり書くときと、ゴーストライター的なものを利用することもあるそうで。

 

ただ、このゴーストライター的なものが読者をだますために使われるのではなく、しっかりとした意味があって(つまり、読者のために)ライター(とあえて書きます)を使うことがあるそうで。なるほどと、感心しました。

 

 

レーシック手術

という言葉は使われていませんが、近視矯正のためのレーザー手術を受けた顛末記も面白かったです。

 

手術を決断するまでのいきさつや、術後の様子などなかなか興味深いです。術後はしばらくは目を酷使してはいけないのですが、将棋の対局はどう乗り切ったのかなど、短編小説のようで読み応えがありました。

 

ちなみにこのエッセイで2002年に手術を受けた医院の名前が出ていたので調べてみると、つぶれてました。しかも医療訴訟を起こされていました。何もなくてよかったですね。

 

 

森博嗣さんと対談

今作にはエッセイのほかに、以前紹介した、『すべてがFになる』の作者の森博嗣さんとの対談も載っています。先崎さんが森さんのファンだそうです。内容は人対コンピュータの将棋対決の話や、ネット将棋、ゲームの話など、理系の森さんと、棋士の先崎さんの考え方が垣間見えて、中々楽しめます。

 

森さんがなかなか衝撃的な小説の書き方をしていることも語ったりしているので森ファンも必見です。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

何度も言いますが、棋士なのに書き下ろしで本を出すだけあって、面白いの一言です。森博嗣さんに

この文庫の中で先崎さんが書かれた作品にも小説といって良いのがありますよね。時計を忘れたという。あれなんか完全に小説ですね。短編小説にしたほうがたぶん売れますよ(笑)。(P218)

と言わせるほどです。絶版になっているようなので、古本屋で見つけたらぜひって事で、星四つです。

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