おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『四季 春』 森博嗣 天才誕生

   

書評的な読書感想文089

『四季 春』(文庫)

おすすめ度☆☆☆(星数別索引&説明

森博嗣(作家別索引

講談社文庫 2006年11月

ミステリー サスペンス(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

『すべてがFになる』などに出てくる天才科学者・真賀田四季が主人公の話。天才のものの見方が垣間見えるのが面白い。内容的には、ポエミーすぎたり、登場人物?が錯綜して混乱しますが、そこを含めて楽しめます。

 

 

あらすじ

天才科学者・真賀田四季。彼女は五歳になるまでに語学を、六歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の四部作、第一弾。(作品紹介より)

 

 

天才の思考

物語の主人公は以前紹介した『すべてがFになる』に出てくる、天才科学者・真賀田四季です。『すべてがFになる』で強烈な存在感を発揮した四季の幼少期からの成長の様子と、その頃に出会ったとある殺人事件が物語の中心です。

 

幼少期から超ハイスペックな四季の天才ぶりや、ものの見方がこの物語の見どころかなと思います。例えば、

同僚の死体を発見して動揺する看護師を見ながら

「死体なんて、見慣れてるはずなのに、どうしてあんなに取り乱しているのかしら」

(語り手のセリフ)「それは、つまり……、同僚だからだよ」

「それだけの理由で?」

「あとは……そう、予期せぬ、突然の死だったからかな」

「心の準備がない、という理由?」

「たぶんね」僕はうなずいた

「どうして、それくらいの準備ができなかったのかしら」四季は言った。「人は、いつか必ず死ぬのに」(P62)

このやり取りが、個人的には好きですね。倫理観や先入観、既成概念を取っ払った状態で、合理的にものを考える感じが好きです。

他にも、遊園地など

「作りものだとわかっていても、その場では楽しめる、というのは、高等な精神構造なのか、それとも単純なのか、少し考え直さなければいけないわ。」(P97)

など、四季のものの考え方が垣間見えるのが面白いです。ちなみに四季はまだ5、6歳です。

 

また彼女のハイスペック振りがすごく、ある学術分野の10年分の成果を吸収するのに半日しか掛からず、それも目が二つしかないからそれが限界であって、思考スピードはさらに速かったりします。

 

アウトプットにいたっては、口述やキーボードでは遅すぎて話にならないほどです。

 

この辺の四季のハイスペックさを表す描写にリアリティーを感じれない人は、この物語は楽しめないかもしれません。

 

 

わりと混乱します

作中にポエミー表現が出てきてちょっと理解出来なかったりもします。また、作中の登場人物?といっていいのかどうかは微妙ですが、かなり複雑で終盤近くまで、混乱してしまいました。

 

ただ、分かりづらいポエミーなところはさっと読み飛ばし、登場人物?が錯綜している部分はなんとなくで理解しながら最後まで読むと、それはそれで楽しめました。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

分かりにくい部分は、一回読んだ後に、もう一度読み返すことでいろいろ見えてくるのは間違いないのですが、正直そこまではしません。読みたい本は他にもたくさんあるので。また、真賀田四季が出てくるシリーズは、『すべてがFになる』のS&MシリーズだけでなくVシリーズというのもあるので、先にそちらを読みたいなと思いました。

 

ただ、この四季のキャラクターは魅力的なので、四季シリーズも最後まで追いかけたいなってことで星三つです。

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