おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『ビブリア古書堂の事件手帖5』 三上延 五浦男前

   

書評的な読書感想文087

『ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

三上延(作家別索引

メディアワークス文庫 2014年1月

ラノベ ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

ラストに向けて、今まで謎だったことがちょっとずつ明らかに。幼馴染みのリュウちゃんがついに登場、いいキャラしてます。内容的には手塚治虫の話が面白い。勝手に順風満帆な人だと思ってました。

 

あらすじ

静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。 彼女の答えは――今はただ待ってほしいと、だった。 ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。この邂逅は必然――彼女は母を待っていたのか?すべての答えが出る時が迫っていた。(作品紹介より)

 

 

ビブリアシリーズ第五弾

毎度おなじみ「今好きな作家で打線を組んでみた」で投手陣の先発にいる三上延さんの作品。以前紹介した『ビブリア古書堂の事件手帖』、『ビブリア古書堂の事件手帖2』、『ビブリア古書堂の事件手帖3』、『ビブリア古書堂の事件手帖4』の続編です。

 

全体の物語が終盤に差し掛かってきているようで、いろいろシリーズ全体の物語性が色濃くなってきているので、『1、2、3』まではどの順番に読んでも大丈夫ですが、その三つを読んでから、『4』、『5』という順番で読むことをおすすめします。

 

 

残念ながら、ラストに向かっています

今まで、謎だったことがちょっとずつ明らかになっています。ネタバレになるのであまり書けませんが、一作目から読んでいる人は「なるほどね」と思うようなことが明らかになってます。

 

そんななかで、幼馴染みのリュウちゃんが今回初登場です。栞子と対照的なサバサバしたキャラで栞子のことは

「おっぱいメガネ」(P101)

呼ばわりし、ちょっとしたことで照れる栞子と五浦に

「そういうもじもじプレイは私のいないところでやって下さい。」(P102)

と切って捨てるとことも。

 

リュウちゃんはなかなか面白いキャラの上に、本筋にも二人の味方として絡んできそうな雰囲気もあるので、次回作、以降も出てきて欲しいです。

 

 

手塚治虫と『ブラック・ジャック』

今回、作中に出てくる話では古書店についての雑誌・彷書月刊の話も興味深いのですが、私が一番気になったのは手塚治虫さんの話です。小説だけでなく漫画を読むのも好きなので、手塚さんの作品もいくつか読んだことがありましたが、知らないことがたくさん出てきました。

 

主に取り上げているのは、『ブラック・ジャック』で私も学校の図書館にあったので、全巻読破したものだと思っていたのですが、実はそうでもなく、その理由は手塚さんの作品に対する姿勢にあったりします。

 

それ以外にも、『ブラック・ジャック』連載開始当時は、手塚さんのスランプに陥っており、打ち切りをされることもあり、原稿料もBクラスだったそうです。そんな中、あまり期待されていない状況で連載された『ブラック・ジャック』がヒットになりました。

 

すべてが順風満帆な人などいないことはわかっていますが、マンガの神様・手塚治虫でも不遇な時代があったとは意外でした。これ以外にも作中には手塚治虫さんの興味深いエピソードがいくつもあります。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回の物語では以前と似たようなシチュエーションの場面がいくつか出てきます。ただ、似たような状況ですが、結果は以前とは変わっていて、それが物語が進んでいることを象徴しています。

 

では、どういう風に進んでいるかは人によって感じ方は違うのでしょうが、私は栞子一人では超えられない母親を、五浦と一緒に超えるという流れになるのかなって予想してます。

 

単なる語り手ではなく徐々に存在感を増している、五浦。今回かなり男前発言があって、いい感じです。ホームズとワトソンといった関係から、精神的には(知識的には無理そうですが)並び立つ関係になって欲しいなと思いました。シリーズ全体の本筋がいい感じに煮詰まってきたってことで、星四つです。

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