おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『こいわすれ』 畠中恵 衝撃の展開

   

書評的な読書感想文081

『こいわすれ』(文庫)

おすすめ度☆(ジョーカー的な意味で)(星数別索引&説明

畠中恵(作家別索引

文春文庫 2014年4月

時代 ミステリー(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

ショッキングな展開に言葉を失いました。ハッピーエンドだけがエンターテイメントではないですが、畠中さんは読者を笑顔にする作家さんだと信じて、次回作も読みます。シリーズのターニングポイントになる作品です。

 

 

あらすじ

江戸町名主の跡取り息子・麻之助が、幼なじみの色男・清十郎、堅物・吉五郎とともに、さまざまな謎や揉め事の解決に立ち向かう好評シリーズ第三弾!妻のお寿ずから懐妊を知らされ、驚きつつ大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けており――江戸情緒とともに、切ない幕切れが心にしみる一冊。(作品紹介より)

 

 

まんまことシリーズ第三弾

以前紹介した、『まんまこと』、『こいしり』の続編です。基本的には連作短編の形式ですが、物語全体のテーマがあるので、『まんまこと』、『こいしり』、今作と順番通り読むとより楽しめます。特に、今作は前作二つを読んでから読むことを強く勧めます。

 

基本的な物語は江戸時代の裁判官・町名主の息子である主人公麻之助とその仲間が、奉行所で裁くほどではない揉め事や謎を解決する話。

 

今回は六つの話がありますが、私が一番気に入ったのは「お江戸が一番」というお話。どんな話かというと、江戸時代にはいろいろなことのランキングを書いた「番付」というものがあります。美味しい料理屋の番付や茶店の看板娘の番付などがあります。茶店の看板娘は江戸時代のまさに会いに行けるアイドル的な存在で、その番付となると総選挙みたいなものですか。

 

で「お江戸が一番」でも番付が揉め事を起こします。普通は一つのテーマにしぼって番付を作りますが、なぜか絵画の名人と狂歌の名人をのせた番付が発行されます。そして、問題なのは双方の一番の名人が自分のほうが相手より上だと主張してケンカになってしまったことです。

 

そこに、茶店の看板娘との恋愛も絡んで、揉め事はこじれます。主人公の麻之助は、揉め事の解決のために知恵をしぼります。

 

このお話の何が面白いかというと、舞台になった両国の喧騒がまざまざと目に浮かぶことと、揉め事の原因は、すべてがちょっとした人間の嫉妬心や見得が発端で、なんだかんだで共感が持てることです。両国という江戸を感じつつ、登場人物を身近にも感じれます。

 

 

ショッキングな展開

『こいしり』の解説に予告されてましたが、今作でかなりショッキングな出来事が起きます。思わず言葉を失い、そのまま読み進めていくうちに涙が出そうなのをこらえるのに苦労しました。

 

正直な感想は作者の畠中さんはすごいなってことです。この展開で次の巻を読むのをやめようとする人もいるでしょうし、ここから話を作るのも大変でしょう。にもかかわらず、無難に今までと同じ展開でダラダラと話を進めずに、今回の出来事を書いた畠中さんはすごいです。

 

ハッピーエンドだけがエンターテイメントではないですが、畠中さんは今までの作品を読むかぎり、読者を笑顔にする作家さんだと思います。なので、今回の出来事も今後の展開で読者を納得さしてくれると信じて、次回作以降も読んでいこうと思います。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今までの物語は今回の出来事を読者の心に刻むためにあり、今後の物語は今回の出来事を生かすためにあるといえます。なので、今回の物語をどう評価するかは、今後の展開次第になるので、今回のおすすめ度はジョーカー的な意味で星一つです。

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