おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『珈琲店タレーランの事件簿3』 岡崎琢磨 好きだからこそ

   

書評的な読書感想文074

『珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは』(文庫)

おすすめ度☆☆(星数別索引&説明

岡崎琢磨(作家別索引

宝島社文庫 2014年4月

ミステリー ラノベ(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

シリーズ初の長編で密室トリックなど、今までになくミステリーしてます。謎解き後のカタルシスは感じられましたが、肝心のトリックをはじめ、突っ込み所が多いのです。このシリーズは短編の方が向いてるかも。

 

 

あらすじ

実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した珈琲店《タレーラン》の切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべく奔走するが、第二、第三の事件が……。バリスタのプライドをかけた闘いの裏で隠された過去が明らかになっていく。珈琲は人の心を惑わすのか、癒やすのか――。美星の名推理が光る!(作品紹介より)

 

 

タレーランシリーズ第三弾

今好きな作家で打線を組んでみた」で投手陣の中継ぎにいる岡崎琢磨さんの作品。以前紹介した、『珈琲店タレーランの事件簿』『珈琲店タレーランの事件簿2』の続編です。ただ、内容的には前の作品とつながりが薄いので、これから読んでも楽しめます。

 

 

シリーズ初の長編

一巻、二巻と基本的な物語の構成は連作短編形式でしたが、今回はシリーズ初の長編です。ヒロインの美星が参加したバリスタの大会の競技中に異物の混入事件が発生します。大会参加者達の過去に因縁があったり、密室のはずの部屋で事件が起きていたりと、今までになくミステリーしています。

 

前半はややまったりしたペースですが、美星が本格的に事件の解決に乗り出し、登場人物たちの過去の因縁が明らかになった中盤以降にはスピード感が出てきて読む手が止まりませんでした。謎解きはミステリーを読みなれている人には驚きが少ないかもしれませんが、私は一定のカタルシスがありました。

 

 

突っ込み所が多い

毎回なぜか『タレーラン』シリーズに関してだけ、やたらと突っ込みたくなってしまうのはなぜでしょう。気に入っていて期待の裏返しととってください。別に嫌いではありません。むしろ好きです。今後も新作が出るたびに(今回は再読)購入します。ということで、まずは

 

言葉の使い方に違和感を感じます。

さまざまな後悔の念が、千家の胸にあぶくのように浮かんで消えた。(P80)

後悔の念が「あぶくのように」すぐに消えるなら大して後悔してないのでは。私の感性の問題かもしれませんが、これ以外にも違和感を感じる表現が結構ありました。

 

アオヤマ君嘘つきすぎ。『珈琲店タレーランの事件簿2』でも書きましたが、今回も語り手のアオヤマ君がしょうもない嘘を言っています。物語上の演出かもしれませんが、毎回好きになれません。

 

そして、一番気になる突っ込み所は、トリックが成立しないのではということです。三番目に起きた混入事件は、混入してから一日経っているので、うまく成立しないのかなって思いました。う~ん、ネタバレになるのでこれ以上言いにくいのですが、色とかがおかしくならないのかなって思います。

 

私の素人考えの勘違いかもしれませんが、ちょっと納得できませんでした。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

今回はシリーズ初の長編で、伏線を生かした驚きと、読み応えがありましたが、反面、コーヒーのうんちくや舞台の京都らしさは減ってしまったように思えます。

 

ヒロインの美星や他のキャラクターを生かした、コーヒーのうんちくと京都感あふれる短編のほうがこのシリーズには向いていると思うので、おすすめ度はきびし目の星二つです。

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