おすすめ本の輪

小説のレビューというか書評的な読書感想文みたいなのを書いてきます。

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『まほろ駅前番外地』 三浦しをん これがギャップ萌えか?

   

書評的な読書感想文070

『まほろ駅前番外地』(文庫)

おすすめ度☆☆☆☆(星数別索引&説明

三浦しをん(作家別索引

文春文庫 2012年10月

友情 青春(ジャンル別索引

 

 

おすすめポイントを百文字で

『まほろ駅前多田便利軒』のスピンオフ。愛すべき脇役たちが、意外な一面を見せてくれるのが楽しいです。また、多田と行天のコンビも健在で、相変わらず楽しそうで何より。ただ、行天の闇がちょっとみえてきました。

 

 

あらすじ

東京都南西部最大の町・まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、高校時代の同級生・行天。汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も承ります―。多田・行天の物語とともに、前作でお馴染みの星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリー七編を収録。(作品紹介より)

 

 

まほろ駅前シリーズ

今好きな作家で打線を組んでみた」で六番に入っている三浦しをんさんの作品で、以前紹介した『まほろ駅前多田便利軒』のスピンオフ作品です。七本の短編からなっていて、『多田便利軒』主人公の多田と行天が主役の話でだけでなく、愛すべき脇役たちが主人公の物語もあります。なので、この話から読んでも楽しめますが、『多田便利軒』を読んで多田と行天と脇役たちの出会いを知った上でこの物語を読んだほうが、断然楽しめます。

 

 

面白いけど、面白い要素を言語化できない

まほろ駅前多田便利軒』の「おすすめポイントを百文字で」で

 

「読んだ次の日には、本好きの知り合いに「三浦しをん」おもしろいよと言わずにはいられませんでした。けど、おすすめポイントは何かと考えると上手く言葉にできません。間違いなくおすすめですが。そんな小説です 。」

 

と書いたのですが、読み返してみるとおすすめポイントがぜんぜんかかれていません。で、今回の「おすすめポイントを百文字で」もだいぶ苦労して上のような出来です。2/3は内容の紹介になってます。

 

面白かったり、衝撃を受けた作品はうまく書けているかかどうかは別として、おすすめポイントが自分の中ではっきり見えることが多いのですが、「まほろ駅前シリーズ」は面白いのにおすすめポイントが浮かばない不思議な作品です。

 

 

愛すべき脇役たち

なかなかおすすめポイントが思い浮かばないこの作品ですが、登場する全ての人物が愛すべきキャラなのはおすすめポイントといえるでしょう。今回の短編のいくつかは、前作の脇役たちの視点で物語が進みます。

 

多田が息子のふりをしてお見舞いに行っている「曽根田のばあちゃん」の若き日のロマンス。生意気な小学生・由良のある不幸な一日など、どれも面白いのですが、私が一番気に入ったのは、まほろの裏社会のボス・星の一日の話です。

 

『多田便利軒』ではだいぶこわもてキャラの星でしたが、とても健康的でストイックな生活を送っているのが、おかしかったりしました。

 

また、恋人や、頭の悪い部下や、行天に翻弄されっぱなしで、結局自分のペースに乗れぬまま一日を終えた星が、最後に日記に書いた言葉で、心をぎゅっと持ってかれました。何でしょう、これがギャップ萌えなのでしょうか。

 

 

行天の心の闇

今回の作品では『多田便利軒』の脇役たちが活躍してますが、主役だった多田と行天のコンビも勿論活躍します。相変わらずのらりくらしと楽しそうでなのよりなので、多田などは

「行天でも、まあいないよりはまし」とうっかり考えてしまうほど(P259)

になってます。

 

そんな二人ですが、とあるきっかけで行天の心の闇が見えてきたりもします。今回の作品ではなんら解決することなく、ただ、行天の心の闇が提示されただけなので、次回作で解決することを期待するのみです。

 

 

書評的な読書感想文のまとめ

一応この作品から読んでも楽しめますが、『まほろ駅前多田便利軒』から読むことをおすすめします。そして、この作品を読んだら次回作も読みたくなります。私は次も読みます。ってことで星四つです。

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